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親友の頼み


「俺、実は、定山さんの事が好きなんだ」


「……は?」


 こんにちは、今、親友から好きな人のカミングアウトされた、黒田将史くろだまさふみです。突然ですが、僕はオタクです。オタクと言ってもラノベや漫画、アニメが中心で、エロゲとかやったことない中途半端なオタクだけどね。

 僕の紹介はまた追々詳しくやるとして、まず向かいにいるやつを紹介しよう。

 こいつの名前は相良恭平さがらきょうへい。僕の幼なじみにして親友である。でも、僕とは違い、オタクじゃないし、イケメンで頭も運動神経もよい。部活はしてないけど、何に入ってもレギュラー確実だろう。……リア充は爆発しろ。

 コホン、とにかくそんなこいつがいきなり告白(僕にではない、ここ重要)してきた。


「なんでいきなりそんな……」


 至極当然である。

「いや、まさならそういった事詳しいかなって。ほら、そういうアニメみてるし」


「いや、アニメてお前……」


 つまり、アニメにも恋愛要素は多いって言いたいらしい。だが、いくら僕でも二次元と三次元をごっちゃにしない。


「それに、そういうのに興味なさそうだから、定山さんを好きになる事はないと思ったから……」


「……なーる」


 まっ、これがどういう事かを説明するには、定山がどういう奴かを知ってもらう必要がある。

 本名を定山いづみと言う。長く綺麗な黒髪をしており、瞳も同じく、漆黒の黒。また、全体的にスラッとしているが、出るところは出ているナイスなスタイルをしている。さらに文武両道、容姿端麗で、非公式ファンクラブもある、非の打ち所のない学園のアイドルである。

 恭平が心配しているのは、定山に僕が惚れてしまうのではないかという事だが――


「……まっ、そうだね。僕はオタクだし」


「いや、そういう意味じゃ……」


 本当は、中学時代のとある出来事で人と関わるのがまだ少し苦手だからである。まぁこの話は追々する機会があるかもしれないからその時に……

 話はそれたけど、今は恭平の話だったな。


「大丈夫、分かってっから」


「何だよからかうなよ」


「んで、僕にそんな事言ってどうすんだよ」


「……//」モジモジ


「モジモジするな。顔を赤らめるな。気持ち悪いんだよ」


「何もそこまで……」


「…話さないなら帰るぞ」


「…待って!分かった言う、言うから」

 帰ろうとしたら必死の形相ですがりついてきた。イケメン台無しである。


「実は俺、定山の事が――」


「それは聞いた」


「そだっけ?」


 こいつ殴ってやろうか


「冗談だって!殴ろうとしないで!……つまり何が言いたいかというと、協力して欲しいんだ」


「定山との中を?」

「ああ」


「……」


 何で僕何かに……さっきも言ったが僕はオタクだ。数少ない友達とオタトークをしたりする。それに、中学のあの事件をひきずっているため、初対面(特に女子)には非常に暗くなる。そのため、女子に気持ち悪がられる。

 そんな僕に相談するなんて、本当に折半詰まってるんだろうな。正直な話、やりたくない。出来るだけ人と関わりたくないし、あまり役に立てなさそうだし。でも、中学の頃、あの地獄から助けてくれたのは、この恭平だ。いつも味方をしてくれた。そろそろ恩返ししてもいいんじゃないかと思う。だから――


「……分かったよ」

「えっ?」


「手伝ってやるよ、お前の恋」


 それに、自称親友の頼みだしね。


「ありがとう!ありがとう~!!」


「うわっ、だから抱きつくなって!」 何かいきなり断りたくなってきた。この先、大丈夫かお前……


 とりあえず協力する事になり、作戦会議をする事にした――





◇◆◇◆◇◆◇





「んで、恭平は一人でどれくらいまで進んだんだ?定山と」

 とりあえず今の現状を把握しとかねばな。


「最近になって、やっと定山さんのことをちゃんと見る事が出来るようになりました!」フンス


「……で?」


「でって?」


 まさかとは思うが――


「これだけか?」


「ああ」


「……」


「……」


「しょぼすぎるだろ!今まで何してたんだ、このバカ!」


 マジでこれだけだったとは…恭平って見た目にいわず、シャイなんだよな…


「だから、お前のアニメとかの恋愛知識に期待してんじゃないか!!」

「確かにその手のものもよく見るが、現実の恋愛何か知らんからな!恭平も知ってるだろう!」


「お願い、頼むよぉ。こんなことお前にしか頼れないんだよぉ」


「……はぁ」


 そう言われると弱いなぁ。


「でも、そもそも――」


 出会ってすらないって話あんま知らないんだよな。最近は既に知り合ってて、展開するアニメとかが多いんだよな。


「でも、とりあえずあっちと話せるように――いや、知り合いにならないと」


 そう言って、また一人頭を使う。

 CLANNAD…はダメだ、出会った後がメイン。学校に坂ないしな。あの花…は幼なじみ集団の話だし。乃木坂春香の秘密…はそもそもオタクじゃないしな、それだったら話やすいし、関わりやすいんだけど…


「う~ん……」


 頭を使ってもいい考えが浮かばない。

(ジャンルを変えて考がえるか……)

 そこから考える事数分。閃いた。


「でも、こんなんでいいのかな……」


「えっ?思いついたの?」


「まぁ、一応」


 でも、これはギャグラノベと言ってもおかしくないものから抜粋したやり方だ。非常に印象に残るし、会話しやすい状況を作れるが……


「でも方法がな……」


「何でもやるから頼む!」


 必死に頼む恭平。そうだよな……こいつも必死だしな。なら恭平の変わりに泥を被ってやるか……

「よし!決めた。これから作戦を伝える。作戦開始は明日の放課後、心して聞け!」


「了解!」ビシっ


 何なんだこのノリは……恭平も敬礼してるし。先行き不安だな……


「よし、では作戦を伝える。作戦は――」


こうして僕達の最初の作戦会議は終わった。明日の初作戦ミッションの成功を祈るばかりだ。



 不安だなぁ……








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