第1話:始まりの扉
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幻想郷、神々に愛されし地
この世界では「異変」というものが起こる
紅い霧、来ない春、咲き乱れる花
さまざまな「異変」が起こるがその原因は何者かによるもだったりする
この物語はこの幻想郷に迷い込んだ者が起こした「異変」の物語である・・・
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さっきから暗く広がっていた雲から大粒の雨がいきなり勢いよく降り出してきた。天気予報でも雨が強いっていってた、雷も鳴るとか・・・
「うわー、降ってきたよ、すげえな~」
俺の名前は「裏炎」だ。日ごろからゲームやらネットやらをずーっとやってる普通の学生だ。ついこの間から夏休みに入ったのでろくに宿題もせず、一日中ゲームとネットを楽しんでいた。
「だが雨が降っても、ゲームだ!」
そんなことを言いながらP○3とW○iのゲームをテレビの二画面機能を使って、同時にやっていた。くだらね~wと思いつつも。そしてさっきから使ったり使わなかったりでパソコンは電源がつけっぱなしだ。
「にしても降るな~」
そのとき、一瞬部屋の中でも分かるくらい光り、少しした時間のあと空気を裂くような雷の音がした。
「お、雷だ。テンションあがってきたwww」
いつもそうである、ものすごい大雪であったり、台風が近づいているとかであったり、そんな強い天候や災害が起こるとテンションが上がる。無駄に。もちろん雷のときもそうだ。
「あ、攻略サイト見ないと」
やってたゲームの武器を作るための方法が分からなかったので、俺はつけっぱなしのパソコンに向かった。サイトを開いたところで、ちょうどまた部屋の中が照らされた。それも今度は間もなく雷の音がした。
「うお、近いな~、停電しなければいいんだけど」
雨もどんどん強くなっていく、そのときふと思い出した。
「洗った洗濯物取りに行かねば」
親が出かける前に言われたのだ、めんどくさいなと思いつつも行かないで何か言われるのも面倒なので取りに行くことにした。
「ハァ、それにしても眠いな、昨日寝るのも遅かったし」
夜まで何やってたかって?もちろんネットである。それならさっさと寝とけよという話だがそんなこと俺には出来るはずがなかった。ともかくもう今すぐにでも寝たい気分だった。だがとりあえず洗濯物を取りに行ってから寝よう。そう思いつつ俺はドアに手をかけた。その瞬間に雷が鳴った音が聞こえた。
あくびをしながらだったせいか、扉をくぐったときに何が起こったのが俺は分かっていなかった。だが扉を閉めたあと、そこは見たことのない所だった・・・