プロローグ
―子供の頃から憧れだった、テレビの画面に映るその巨体、その雄姿に……
「かっこいい……!」
そこには宇宙空間を自在に飛び回り、手に持ったライフルからビームを撃っては敵を打ち落としていくロボットの姿が映っていた。
「いつか乗ってみたいなぁ。」
―時計は既に11時を過ぎている。パソコンの明かりだけが部屋を照らしていた。
子供の頃の夢は変わり、私はここで宇宙開発用のパワードスーツを開発している。
カタカタカタカタ
1人キーボードを叩き、手元のデータと入力した数値を確認していく……
「んーーーーー。」
一通り今日の実験の結果を入力し終わり、大きく体を伸ばす。そして私はプログラムを始動させた。結果が出るのは6時間後といったところだろう。
「今日はここで帰るかなぁ……。」
今日は試作の姿勢制御装置の実験だった。前回よりも手ごたえも感じていたし、入力した数値も悪くはなさそうだ。
私は足取り軽く帰路についた。
―「~~♪」
食事も終えてお風呂に浸かる。至福の時だ。
「上がったらとりあえずデイリーを終わらせて……。」
仕事もうまくいっていて気が抜けたのだろうか、私は不覚にもそのまま湯船で眠りにつき……
二度と目を覚ますことはなかった。