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鷲の魔獣長ホーク②


(何っ!? 此奴、儂の動きが見えると言うのか?!)


 戦闘力が格下の相手に、渾身の一撃を打ち返されたホークの驚きは大きかった。

 一方的かと思われた二人の戦いは、リアンの方が押す形となった。


「遊んでいる暇は無いんだ!」


 気合一閃、リアンの星の剣が、大薙刀もろともホークの右腕を斬り落とした。だが、ホークの腕は当然のように生え変わって来る。「ならば!」と、リアンはホークの首を狙って剣を揮う。


「させるか!」


 大薙刀を失い丸腰になったホークは、大きく後ろへ反らした巨大な両翼を、猛烈な勢いで押し出した。すると、長さが、一メートルもある幅広の刃となった無数の羽根が、リアン目掛けて降り注いで来たのだ。


 彼は、瞬時に身を躱しながら星の剣で薙ぎ払い、事なきを得たのだが、次の瞬間、羽根の一団は意志でもあるかのように反転して、再び彼を襲って来たのである。


「?!」


「ふん、その羽根の一枚一枚には、儂の思念が宿っているのだ。簡単に逃げられると思うな。それ!」


 ホークが、羽根の攻撃を数回繰り返すと、リアンの周りは、刃の羽根で埋め尽くされた。


 この羽根は、アポロンの鎧を着たリアンに、致命傷を与えるような威力は無かったが、ホークを倒すためには、邪魔な存在だった。


(……やはり、片付けるしかないか)


 彼は、一気にフレア攻撃で焼き尽くそうかと考えたが、最後の切り札を簡単に使うべきでないと思い止まり、星の剣の通常の炎で襲い来る羽根を薙ぎ始めた。

 通常の炎と言っても、フレアモードになった星の剣の炎は凄まじく、鋼鉄のような羽根を次々と溶かしていった。だが、数が余りにも多すぎて、薙いでも薙いでも羽根は減る気がしないのだ。

 埒が明かないと思ったリアンは、更に炎の威力を上げ、手数を増やして羽根を薙ぎまくった。


 リアンが全ての羽根を焼き尽くすまで、十分ほどの時間が掛かっていた。


(ふう、手間取ってしまった。ホークは?)


 リアンがホークの姿を探すと、彼は百メートル程上空で、銀の羽を広げた状態で静止していた。しかし、彼は只止まっていたのではなかった。

 ホークの右の翼の先端には青い玉が、左の翼には赤い玉が生成されていて、その内部では、プラズマ放電のような凄まじい光が乱れ踊っていたのだ。異様な赤と青の玉は、既に直径五メートル程にまでに成長していた。


(奴は、あの二つの玉にエネルギーを溜め込んでいたのか。羽根の攻撃は、その為の時間稼ぎだったんだ)


 リアンが気付いて動き出した時には、ホークは攻撃の準備を既に終えていた。

 ホークは、先ず、右側の青いエネルギーの玉をリアン目掛けて放った。

 青く光る玉は、今にもエネルギーが弾けそうな勢いのまま、ゆっくりとリアンに向かって進んで来る。ホークはもう一方の赤い玉を左の翼に抱えて、リアンを睨んで様子を伺っていた。


『リアン、逃げて!!』


 危険を察知したステラの叫びに、彼がその空域から離脱しようとしたその時、


「我が最大の武器“双玉爆波”(そうぎょくばくは)受けて見よ!!」


 ホークが、左の翼に抱いた赤い玉を一気に押し出したのだ。

 前をゆっくりと進む青い玉に向かって、後から放たれた赤い玉が高速で激突すると、赤と青のエネルギーの融合で、途轍もない紫色のエネルギー波となって打ち出され、リアンを飲み込んだのである。


「?!!!……」


 その瞬間、リアンは、目の前が紫に染まり、鋼鉄の壁に押し潰されるような衝撃を感じた刹那、気を失ってしまった。


 紫の超絶エネルギー波は、一気に地上に達して大爆発を起こし、全てを吹き飛ばして巨大なキノコ雲を噴き上げた。




「フハハハハハ! 我が“双玉爆波”の威力、思い知ったか!!」


 空の上では、確かな手応えを感じたホークが、勝ち誇ったように笑っていたが、不死身かとも思えるリアンの光る鎧の事を考えると、一抹の不安が過ぎった。


 彼は、念のためと、何でも見通すことができる鷲の魔獣の目で、リアンを探し始めた。彼の視線は、雲を突き抜け、地上に達すると、大きく掘れ込んだクレーターの底の地中をも透過し、そこに埋もれているリアンを見つけ出した。


(動いてはおらんようだが、あの鎧は未だ輝いたままだ。念のため、止めの一発を見舞っておくか)


 銀色の両翼を悠然と開いたホークは、再び“双玉爆波”の態勢に入った。




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