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魔術大学

魔術大学へ入学は正直話、行けると思う。

ただし、ランクがあるらしい。

なんと、魔術大学は俺がいなくなってから100年後くらいから出来たらしく、細分化されたのはその50年後くらいらしい。

更に細かく、年齢に応じて幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学に分かれてるらしい。

異世界から来た者が提唱し、そこからその文化が根付いたらしい。

話を戻すと、有名な魔術大学が「アリアベル魔術大学」というのが一番ランクが高く、優秀な魔術師達が集まるんだとか。

逆に「モーリア魔術大学」が最低ランクの大学らしい。

正直、クズの集まりだとか。

俺は学べるならどこでも良いのだが、アリアベルよりモーリアのほうが面白そうと感じた。

優秀な奴らは確かに一緒にいて楽しいし、理解力があってきっと色々と素晴らしいのだろう。

しかし、俺は最低と言われるモーリアのほうが魅力を感じていた。

きっと、俺の悪い癖なんだろう。

それに優秀な奴らはたくさん見てきたから今度はもっとヤバい奴らを見るのも一興。


俺は試験の日までギルドのクエストで金を稼ぎ「モーリア魔術大学」へ入学試験を受け、実技試験を受ける前で来たのであった。


実技試験は何と試験官との模擬戦である。

なかなかワクワクするな。


「受験生、アルセイル=フェノメノン準備はいいか?」


「構いませんよ。」


「それでは、実技試験の模擬戦を開始する!」


俺はこの時代の魔術を身近でやっと感じることが出来る。

映像では何度か見たが、やはり何事実際感じるのが一番だ。


相手の試験官は高速でファイアを射出してきた。

しかも、散弾してきたのだ。

これが現代の当たり前の戦法の一つ、「散弾ファイア」と言われるものか。

見た感じ、ファイアを複数回又は同時に発動しているが、一つ一つは火力が落ちてる上に魔力消費を抑えて、複数のファイアを射出して使っている。

火力は全部当たってもファイア1発分だろう。

しかし、優秀なのは魔力消費を抑えて射程を落としている代わりにファイアの速度を上げている。

牽制用に使いやすく、なかなかに練られた魔術だ。

ファイアが恐らく一番当たったときに厄介だからだろう。

それを見込んで「散弾ファイア」というものにしているのか。

合理的だな。昔のファイアトルネードという範囲魔法や火力重視のヴォルケーノよりこれを連続して使ったほうが魔力消費が少なく、当てやすくて連続で使いやすい。

ただ、これくらいなら避けるまでもなかった。


ファイアは当たらずに自分に届く前に霧散した。


「なに?」


「魔術兵装「ウィザード」はなかなかすごいね。射程、発動速度、弾速、威力を上げる効果もあるのか。いや…わかっていたけど、間近で見ると感動するなぁ。」


「貴様、これは試験だぞ?攻撃しないのか?というか…今魔術を発動したのか?」


「もう発動してるよ。今、魔術が霧散したのがその証拠だ。知らないかい?無情な魔術(アブソーブ)を。」


「なっ!?それはウィザードで発動するのが難しい魔術ではないか!!ここに来た時から発動していたのか!?」


「開始の掛け声で発動しましたが?」


「ありえない!始まってから数秒も経ってないのに…」


「では、面白いものをお見せしよう。」


アルセイルの周りに魔力で出来た大量の球体が浮いていた。


「なっ…魔力で出来た玉?」


「魔力弾というんだよ。魔術や魔法ではなく、魔力を固めてそれを相手に当てるんだよ。こんなにふうに。」 


大量に浮いていた魔力の玉は試験官へと放たれた弾丸のように一斉射出される。


「くっ!?」


試験官は魔法のバリアを局所に展開することによって消費を抑えつつも硬度のあるバリアを生成していた。

やはり、この時代に学びがあっていいな。


「ならばこれはどうだ!」


相手は身体強化魔法をして即座に殴りかかってきていた。

ほう、ウィザードが持つ欠点を理解して物理戦に持ち込んできたか。

そう、この魔術兵装ウィザードの弱点は発動した魔術が発動時より込めた魔力を下回ると無効化されてしまうのだ。

そして、俺の発動している無情な魔術(アブソーブ)は発動した魔法や魔術の魔力を吸い取ることができる。

そのため、普通に魔法や魔術を発動しただけなら威力減衰で済むが、ウィザードを通した魔術や魔法はそうはいかない。何せ、メリットで上がった魔術の威力や速度というのはウィザードという魔術兵装を通しているから規定値の魔力量を下回るとそれはウィザードを通した魔術ではなくなるから無効化されるようになっているようだ。

それが大きな欠点かと言うとそんなことは本来はない。

これは俺と当たってしまったから起きたようなものだ。

この時代では俺の無情な魔術は知られてはいるが、簡単には使えるものではないらしいからだ。


「悪くはないが、遅い。」


相手を見切り、攻撃を避けて腹へ思い切り蹴りを入れて気絶させたのだ。


「勝者、アルセイル=フェノメノン。」


こうして、俺の実技試験は終わりを迎えたのであった。

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