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未来は見えていたのか

「いてて…ヴィシュヌめ。さりげなく、時の魔法で俺と自分の位置がバラバラになるように設定しやがったな。だが…逃さねぇぞ!」


俺はヴィシュヌが時の魔法「クロノスキップ」という未来へ渡る魔法を使ったことを理解していた。

俺には時の魔法を扱うだけの技量はなくもないが、代償を払うことになるため使わないが、あの女魔王ヴィシュヌは躊躇なく使いやがったのだ。


「でも…どれくらいの未来へ来たのかはわからんな…勇者パーティーはもうみんな年寄になってたりしてな。」


そう言って、辺りは森であり飛行魔法でその場から飛び去り、近くの街まで来たのだ。


「ここはどこだ?なんか見たことないものばかりだ。」


服装や見たことのない器具を持った若者たち。

成人した男女も黒のスーツを纏い、忙しそうに動く。

言葉では説明できない未来の形はもしかするととんでもないほど時間を渡ってきてしまったのかもしれない。


通りすがりの若者に声をかける。


「すまない、今はアルケー歴何年だ?」


「はぁ?今はアルケー歴1981年だよ。そう言えばアンタ、よくそんなレガシーの魔術師の服装してるね。」


1981年!!?あれから1000年経ってるのか!!?


「もう一つ訊きたい。魔王はどうなっているんだ?」


「魔王?どうも何も今はアイドル活動してるよ。」


アイドル活動??なんだそれは。


「倒さないのか?」


「いつの話してんだよ、そんなの勇者達が魔族と和平してから大分経ってるよ。大体1000年くらいか?そう言えば、アンタ…賢者アルセイルが使ってたとされるレガシーの服装してるな。関係あるのか?」


賢者アルセイル?


「賢者アルセイルとは?」


「知らねぇのかよ。いまだに歴代最強と謳われたアルセイル=フェノメノンを。何せ、今の魔法学の基礎になっている魔術構築の理論はアルセイル理論と言われており、魔法は唱えるだけと言われていた時代から魔法の術式を解析する魔法術式「アナライズ」を開発したことによって誰にでも魔法は作れるようになり、そしてその本人はあの魔王ヴィシュヌと張り合える強さを持ち、そして現代の基本となっている高速魔術戦を当初から実施していたとされる最強の魔法使い。何よりその時の勇者たちの証言もあるから彼ほど有名な魔法使いはいねぇぜ。俺も憧れなんだ。何せ、魔法使いなら賢者アルセイルになりたい!っていうからな!」


俺ってそんなに有名になっていたのか…って待てよ?

高速魔術戦ってなんだ?そんなの当たり前であろうよ。


「てか、あんたはナニモンだよ?何か今の時代の人間じゃないみたいな…」


「実はな…」


自分がアルセイルということを隠し、過去から来た魔法使いと話した。

過去からヴィシュヌが来たなんて言ったら大混乱だからな。


「あーそれはわかるかも。たまに賢者アルセイルのマネして過去から来る奴いるんだよな〜」


おや?意外にも受け入れられた?


「なんか、そんな珍しくないみたいな…」


「そうだよ、賢者アルセイルの真似して過去から来る奴ニュースでも話題になってるんだよ、この時代あたりにアルセイルが来てるんじゃないかって。でも、時の魔法って確かかなりの過去から来たやつは命もかなり持っていかれるわ下手したら魔法使いやめないといけないほどの代償払う羽目になるからアホだよな。てか、アンタもそういうクチ?」


「俺は…違うが、まぁ時の魔法を使ってるやつからそれに合わせて来たんだ。」


「あいのりしたってことか。まぁいいや、何か目的があるんだろうから頑張ってな〜じゃあな〜」


若者はどこかへいった。

いや、俺もまだ18だから若者だが。


「魔族…和平してて、俺は有名人になってたのか。アハハ…マジでどうしよ…仇の魔族と人類が手を取り合ってる時代なのかよ…魔族スレイヤーとして名を馳せていた俺としてはこんな時代で魔王を殺して意味あんのか?てか、魔王も意味あんのか?ってなってるかもしれないな。あいつだって人間とは手は取り合えないってことで戦争始めたわけだし…今の時代を見たらどうなるんだろうか…」


行き場のない憎しみも殺意も霧散してしまった。

一応、ヴィシュヌが不穏分子として活動しようとしてたら消すが、現代の魔王は悪いことはまったく考えてなさそうだしなぁ。



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