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モテないんで軍辞めます

完走目指して走り続けます。

誤字、脱字はすぐに報告の義務が課せられているのでよろしくお願いします。

「隊長、今日限りで仕事、辞めます」 

窓から差し掛かる夕陽を浴び、どこか儚げな雰囲気を醸し出している隊長に向かいそう言った。

「は? …や、辞める?どうしたんだ急に、もしかして何か悩み事でもあったのか?」

いつもは綺麗な顔を少し歪ませてい所を見るのは今日が初めての日だ。

しかし、最後の日にそんな隊長のご尊顔を見ることが出来たのは僥倖だと言える

「隊長。僕は今日まで文字通り死ぬ気で働いて来ました、隊長の命令はどんなことでも完璧にこなし、敵の大群に一人で突っ込めとか意味不明でこいつ頭沸いてんのかという無理難題も数々とこなしてきました」

「おぉ、そうか! まぁ確かに貴殿はこの軍隊では優秀な捨てご…部下だったと記憶している…しかし、貴殿は一体なぜ辞めるというのだ?」

こいつは、捨てゴマって聞こえてるのを絶対分かって言ってる


こういう所も理由の一つなのだが、その他にも理由は沢山ある。それはもう両手の指どころか両腕では抱えきれない位には。


しかし、俺は最も大切な事をいつの間にか忘れていたのだ。

「隊長……俺はなぜ昇進出来ないのでしょう?」

多分この軍隊に入ってから一番の笑顔だっと思うほどの笑顔だっただろう

痛いところを突かれたのか動揺して目線を合わせなくなった。

「隊長…俺は実績だけ見ればもはや国の英雄と言われてもおかしくない程積んでますよね? しかし、俺はいつになっても金は貯まらないし異性からモテない、もうとっくに俺の部下達は昇進して良い飯食って恋人は何時でも作れる程モテまくってる…確かに俺の部下は優秀だ…しかし、こんなにも頑張っている俺は新聞やテレビでチヤホヤされた事は一度たりともない。一体国を何回救えば良い飯食って異性からチヤホヤされるのか教えて欲しいもんですよ!!」

そう圧倒的にモテない。

俺が地道に丹精込めて育ててきた隊員や部下は街に出ればそれは男女からモテまくってるのに、俺は一向にモテる兆しが見えない。


机を強く叩き、隊長に威圧をかける。

机は少し割れたので瞬時に手で覆い隠し証拠を隠滅した。ここの机高いんだよな。


「…金が無いのは貴様がアイドル?等と言うものにハマっておるからだろうに……悪いが貴殿を辞めさせる事は出来ない、我が隊にとって貴殿は必要不可欠なのだ。それと異性にモテたいならそれなりの努力をしたらどうなのだ?女のデリカシーが分からない奴は一緒同じだろうがな」

プチッという効果音と共に頭の堪忍袋が切れた。

このアマァ、少し美人でスタイルが良くて俺よりも強いからって少し俺の事を馬鹿にしてるんじゃあないのかぁ?


俺がいつも変わらないと思っているのか?

ふん、馬鹿め! 俺は今日のこそはと辞める為に色々準備してきたのだよ。


しかし、この計画には懸念があった。


そう、今目の前にいる我が軍が誇る隊長様である。


俺はこの人に一回も勝った事がない。

まぁ、引き分けなら幾度かあるのだが本気の隊長相手に無傷で辞めるのは無理だろう。


他の隊員ならまだ何とかなるのだ。

頭撫でたり、添い寝したり、ゲームしたり等々のガキ臭い命令を聞いていたら大抵の事は許してくれる。


…たまにヤバい命令が来るがまぁガキの考える事だ、そういうのがあってもおかしくない。


しかし、目の前の隊長は俺に一切甘くない。てかめんどくさい。

少し連絡が遅れただけで呼び出しをくらい小一時間叱られたり、軍隊に必要な物を買い出しに行くときは荷物持ちという理由で同行させられたりとお前は俺の母親かというほどめんどくさい。


俺よりも力持ちの癖になに言ってるんだ?と言いたくなるのを毎回抑えるのに苦労する。

ちなみに、もし言ったら隊長に腕折られる事になる。



まぁそんなことも今や昔だ。

今日、今や心の友ともいえる奴から一冊の本をもらった。


その名も『どんな女もイチコロで落とす方法』


何で女と限定しているのかは不明だが、わざわざ実験台になってくれた友に食らわせると、ピクピクして文字通りイチコロで意識を落としてしまった。


これは使える…と様々な実験を繰り返す内に俺には才能があるかもしれないと気付いた。


そして今日、この部屋に誰も来ないのは俺が事前に全隊員にこの技を浴びせていたからさ!


さぁ俺のこれまで今や親友と呼べる奴を何度も落として来た努力の結晶!その身で受けるが良い。


「隊長…覚悟ぉ!!」

隊長が剣から鞘を抜くのをしっかりと見た。

あれは【霧雨】という剣だろう。

敵の前だと幾度か見ていたが俺に見せるのは今日が初めてだ。

美しい光を放ち、どんな強敵をも屠ってきた剣。多分、これ本気で止めに来てる。

しかし…こいつは、やり甲斐があるなぁ?


俺はその剣を少しだけ見切り、剣先が頬をかすった。


頬から血が出るがまぁこの際放置する。


俺はそのがら空きの胴体を目掛けて突進を食らわす。


そして───


「な、何を……!?」


──折れそうなくらい細い腕をガシッと掴み、倒れこむ。

これぞ、女を一撃で落とす、床ドン!!

どんな原理から知らないが多分テコの原理とかで女を一撃で落とすことができる。


「……や、やるなら早くして欲しい…とか」


目を反らしながら恥ずかしそうに答える。

ふ、ふん。まぁ人間を何回辞めているか分からない隊長の事だ。これくらいは想定内。

ここで更に畳み掛ける。


クイッ


隊長の顎を上げ、目線を合わせる。

そうすると、隊長はもう目線を反らさなくなった。


そして──


「んっ…」

目を閉じ、口を啄むようにして待機していた。

その光景に俺は……訳も分からず神秘の宇宙を考えていた。


えっ…?なにその反応…この後どうすれば良いの?

結論、地球は青かった。

つまり、逃げるしかないのだ。


幸い隊長にはそこまで体重はかけて無かったのと仲間を近くに呼んでいたので、逃げようと思えばすぐに逃げれる。


しかし、なぜか隊長は身体が強張っており、多分これだとすぐに気付かれる。


「隊長…力抜いてください。その…やり(逃げ)辛いので」


そう一言言うだけで隊長は俺の指示に従った。


…確か、意識を落とす行為はある種マインドコントロールと同じ働きがあるらしい。


これも、その例に漏れずあの隊長が俺の指示に従っているのかも知れない。


…最後の最後までお前がくれた本に世話になっちまった。


ありがとう、親友。今日辞めたら良い飯を奢ってやる。


「じゃあ、隊長…行きますよ」


「ん……ひぅっ…」


隊長が完全に油断しているのでいつもお世話になっている電気魔法で首をピリッとやると隊長は気絶した。


そうして俺は──この国から逃げる事にした。


ちなみに、このストーリーは急に変な展開になったり走っている内に路頭に迷う可能性があります。

そう、軌道修正出来るのは貴方だけ!!!

私は黒歴史を作りとうございませぬ!

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