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第4話奇調

八嶋美羽やじまみうは窮地に陥っていた。

それは現実世界にはあり得ないモノ。

しかしそれは今まさに美羽を襲おうとしていた!


女子高生×日本刀×化け物。

さあ、ユカよ魔を斬れ!


 「お風呂は勝手に使っていいからね。それと洗濯物も洗濯機とか使ってもいいからね」



 ユカにそう言いながら私は寝間着を準備すると彼女は目の前でいきなり二人に別れそしてすぐに片方を消す。

 すると残った片方は制服のしわも何も無くなり、髪も更に艶やかになる。



 「御心配には及びません。古い私を消し、新しい私にすれば身成りは全て最初の状態に戻ります。そうしませんと、その、お恥ずかしながら無精な女と思われますので」


 「いやいや! 何それ!?」



 確かに残ったユカは奇麗になっていた。

 心なしかあのいい香りも強くなっている。



 「これは異世界召喚された時のギフト、特殊能力ですね。片方が残りさえすればもう片方が死んでも私は問題ありませんので」


 「何なのよ、もう~。まあいいわ、はいこれ寝間着」


 「ありがとうございます」



 そう言いながら彼女はその場で服を脱ぎ始め寝間着に着替えるのだけど……


 思わずドキリとしてしまう。


 セーラー服の下から出てきた肢体は真っ白な肌ですらりとした体形でもしっかりと女性らしさを残している。

 胸だけは勝っているけどそれ以外は全部負けた気がした。



 「なんかずるいと言うか、ほんとなんなのよユカって……」


 「はい? 私が何か?」


 「肌キレイって思ったの! まあ、胸だけは私の方が勝っているけど」


 「ぐっ! げ、現代の方は日本人でも豊かだと言うのは理解しています。しかし私の時代ではこれでも普通かやや大きい方だったんです!!」



 驚いた事に胸の話をしたらあのユカが顔を赤くして反論してきた。

 もしかして胸が小さい事をコンプレックス?


 「何よ、そんなに小さいの?」



 ふにゃ。



 言いながらユカの胸を揉む。



 「//////!?」



 するとユカは真っ赤になりながら思い切り壁まで下がる。



 「すすすすすすす、すみません! 私そう言う趣味はございませんので遠慮させていただきます!!」


 「はぁ? 私だってそんな趣味無いわよ。ユカの胸の大きさ確認しただけだって」


 「そ、それでも同じ女性同士でそのような事は//////」



 友達同士で胸の触り合いなんて当たり前なのに。

 私はため息をついてユカを呼んで和室に通す。



 「とりあえずここで休んで。明日の朝から探索器を探しましょう。学校は休むから」


 「良いのですか?」


 「そっちの方が重要よ」



 ぐっとこぶしを握ってそう言う私にユカは一瞬ためらいながら言う。



 「分かりました。では明日はよろしくお願い致します。それと……」


 「何?」


 「その、一宿一飯の恩はありますが、夜襲わないでくださいね? 私はそのまだ生娘なので……」


 「なっ!? そんな事しないわよ! いいから寝なさい! おやすみ!!」



 そう言ってふすまを閉める。

 まったく、こっちまで意識しちゃうじゃないの!!


 私はなんかもやもやとしながら自分の部屋に戻るのだった。



 * * * * *

  

 

 「うん…… 何この香り……」



 言いながらスマホの画面を見る。

 朝の六時。

 普通ならまだ寝ている時間。


 でもなんか好い匂いがしてくる。


 仕方なく気になって起き上がりリビングに行くとユカがほっかむりとエプロンをして台所に立っていた。



 「お早うございます。もうすぐ出来ますので席に座って待っていてください」


 言いながらとんとんとネギを切っているようだ。

 言われて食卓に着いて驚く。



 「か、完璧な日本の朝ごはん!?」



 既に盛り付けられているご飯はつやつや、だし巻き卵に大根おろし、焼き鮭にほうれん草のお浸しまである。脇にはしっかり漬物まで準備され、台所から今ユカが持ってきたお味噌汁を置かれ準備が整う。



 「ささ、お口に合うかどうかわかりませんがどうぞ」


 「うっ、い、いただきます……」



 言いながらお味噌汁から口をつけて驚く。



 「お、美味しい……」


 「それは良かったです。関東の方にもお口に合った様で」



 言いながらユカも食事を始める。

 他の料理もおいしく朝から私は全て平らげてしまった。



 「お粗末様です」


 「いやいや、美味しかったよ、ごちそう様。ユカっていいお嫁さんに成れるね?」


 「すみません、せっかくのご厚意ですがその申し出はお断りさせていただきます。やはり女性同士というか、私の様な者を娶ると言うのは……」



 「だから違うっての!」



 朝から私の叫び声がこだまするのだった。



 * * * * *



 「さてと、街に出たはいいけど何処から探したものか……」


 「そうですね、まずは霊障あらわな場所を知っていますか?」



 私はユカにそう言われて心霊スポット的なものを思い出す。


 八王子には都心からのお墓参りが多く、心霊スポット的な場所は多い。

 山あいの方にはお墓は勿論峠なんかでも出るって聞いた。

 廃病院なんかも出るって言うし、電車の橋げたの下だって……



 「いろいろ有るわね、とりあえず知ってるところから行ってみましょう」



 言いながら私はユカといろいろな場所をめぐり始めたのだった。



 * * * * *



 「駄目かぁ~」


 「今は天皇の墳墓もこちらにあるのですね」



 いろいろと回ってみたものの、目的である探索器は見つからなかった。

 そして三傘見神社に戻って来てもう一度その周辺を見た所だった。


 「やはりそれらしき物が見当たりません。一体どこにあるのでしょう?」


 ユカはそう言いながら神社の境内を見回している。

 もうすでに警察の捜査も終わっていて境内には誰もいない。


 ユカは瞳を金色にうっすらと輝かせ周りを見ている。

 と、私を見てその動きが止まる。



 「これは……」


 「なに?」



 がさがさっ!



 その瞬間近くの草むらが揺れた。

 そして野良犬らしきものが飛び出る。



 「まさか! 美羽さん離れてください!!」




 言いながらユカは日本刀をカバンから引き出すのだった。

  

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