七聖武器集結
ララの訪問を受けた一週間後、フーがやって来た。足に取り付けられていた手紙を読むと、ラトリスは舌打ちした。
「やっぱり嫌な予感が当たったらしい。」
「ラトリスさん?」
「城に行くぞ。ミーア、ミーナも連れて。」
「はっ、はい。」
「解ったわ。」
そう言って、5人は準備をしてフィリア王国へ向かった。
城に着くと、直ぐに謁見の間に通された。
「ラトリス殿、来てくれたか。」
「手紙の通りなら厄介極まりないけどな。」
「ふむ、まさにその通りなのだ。」
レイナードは申し訳なさそうな顔をした。
「兎に角、会ってもらえるか?」
「ラトリスさん、どういうことなんですか?」
「…戦争よりたちが悪い話さ。この城に着く前からカグラが教えてくれていた。」
「まさか、七聖武器が!?」
「今全ての七聖武器がこの城に集まっているのだ。」
そうレイナードが言うと、ラトリスは異空間からデュランダルを取り出した。
「ふむ、懐かしい感じがするな。」
「デュランダル、全て本物か?」
「はい。間違いなく。」
デュランダルがそう言うと同時に、謁見の間の扉が開かれ、7人の男女が入ってきた。
「お初にお目にかかる、フィリア王国国王よ。私はミドレン王国国王リーンだ。」
代表してリーンと名乗った男がいう。
「この国に、デュランダルが渡されたのは本当ですかな?」
「うむ。所持者はそこにいるラトリス殿だ。」
レイナードがいった。と、リーンはまじまじとラトリスを見て、
「このような女性が所持者とは。デュランダルも地に落ちましたかな。」
「…どうやら、死にたいらしいな。」
そう言って、ラトリスはデュランダルをリーンの首元に突きつけた。
「うぅ…」
「ラトリス殿、やめてくれ!」
「ふん。俺は男だ、くそ野郎。」
そう言い放ち、デュランダルを引っ込めた。
「…くっ。」
「で、ミドレン王国が何のようだ?いや、違うか。各国の七聖武器の所持者が…と言った方が正しいか。」
「ふっ、ふん。その通り。用があるのは後ろの者達だ。」
並んでいた6人の男女が左から順に、
「ライド王国、聖弓ミストルティンの所持者、マイトです。」
「ミドレン王国、聖杖ケーリュケイオンの所持者、アイコスだ。」
「アーカス王国、聖槍ゲイボルグ所持者、マーリンよ。」
「リンドラ王国、聖鎚ミョルニルの所持者、ガーランド推参!」
「セリーユ王国の聖斧リサナウトの所持者のミリーだよ。」
「バーンシュタイン王国、聖剣カリバーンの所持者、レンです。」
各国の七聖武器の所持者の自己紹介が終わった。しかし、レンだけ仮面を着けていて表情が読めない。
「デュランダルの所持者であるあなたを含めて、全員が集合したことになりますな。」
ガッハッハッと、リーンが笑う。
「それで、ミドレン王国国王よ。全員を集めてどうするつもりだ?」
レイナードが質問すると、
「ふん、決まっていよう。全ての七聖武器が集まったのは、この時代をおいて他には無い。」
「で?」
ラトリスがイライラしはじめた。
「でだ。伝説の通りかどうか、確かめようでは無いか。フィリア王国国王よ。」
「伝説?まさか…」
レイナードが身を乗り出す。
「その通り。1人の所持者にし、七聖武器が1つになるところ、あなたも観たくありませんかな?」
そんなことを言い始めた。
「いや、確かに伝説上そう言われているが…」
「デュランダル、どうなんだ?」
ラトリスがデュランダルに聞く。
「確かに我々は元々1つでしたが…」
その声を聞いて、その場にいた6人が驚いた。
「なに!?」
「まさか…」
「喋っただと!?」
一様にそんなことを言っていた。
唯一、バーンシュタイン王国のレンだけが冷静だった。
「何も知らないってことは、お前等七聖武器の本当の力を引き出せていないな?」
「何だと!」
「貴様!?」
どうやら図星だったのか、5人は怒り狂っていた。それを見ていたレンが、
「ではこうしましょう。全員で戦って、勝った者が全てを所持する、それなら良いでしょう?」
と、言った。
「おお、それは良いですな。」
リーンもそれに賛同する。
「面倒くさい。」
ラトリスが言い放った。
「ラトリス殿、そう言わずに。」
「俺は今日、戦いに来たんじゃ無い。面倒なのはお断りだ。」
「しかし…」
「臆病者にようは無い。」
「我々だけでやり合っても良い。」
「ただしデュランダルは置いていってね。」
「回収に行くのは面倒ですから。」
口々に言ってくるが、それを征したのはレンだった。
「デュランダルの本当の力が見たい。是非とも戦っていただきたいのですが?」
「…」
ラトリスは少し考えた。
「…ラトリス殿?」
「やはり面倒だ。」
「なにをそこまで拒むのだ?」
「俺の相方を無視するこいつらの物言いにむかついているだけさ。」
ラトリスが怖い顔をした。
「デュランダルをも打ち破った剣、それを使えないなら戦ったって意味は無い。」
「何だと!」
「デュランダルを打ち破った剣!?」
「…デュランダル、本当なのか?」
突然、聞いたことの無い声が聞こえてきた。
「久しいな、ミョルニル。主の話は本当だ。私は主と、その相方であるカグラ殿に負けたのだ。」
「まさか…」
今度はゲイボルグが喋った。
「ならば尚更退くわけには参りません。」
ケーリュケイオンが言った。
「我々とも戦って貰いたいわ。」
そう言うのはミストルティン。
「お前はどうだカリバーン?」
リサナウトがカリバーンに聞く。
「…」
カリバーンのみ答えなかった。
「カリバーン?」
ゲイボルグが聞くが答えない。
「カリバーンは喋りませんよ。」
「なぜだ?」
レンの言葉にデュランダルが聞いた。
「鞘に特殊な魔法をかけましたから。」
「なるほど、あいつは五月蠅いからな。」
「しかし、驚いたな。本当に喋るとは…」
リーンがそう言うと、他の所持者達も驚きを隠せなかった。ただ、レンのみが冷静だった。
「それより、対決はどうするのです?」
「そうね。デュランダルを超えた武器、見てみたいわ」
「ラトリス殿…と言ったか。何か良い案は無いか?」
「はあ?俺は嫌だって言ってんだぞ?」
「その腰の武器、それがそうなんでしょ?」
「…」
ラトリスが黙考していると、
(ラトリス、戦ってください。)
(どうした、カグラ?)
(奴らはあなたに暴言を吐きました。許せません。)
(しかし、良いのか?)
(私は元々武器なのです。様々な武器との戦いは、寧ろ願ってもないことです。)
(…解った。)
ラトリスはカグラの提案を承諾して、
「解った、戦ってやるよ。」
「主よ。カグラ殿と話を?」
「あぁ。」
ラトリスは全員を見て、
「ただし、バトルロイヤルなんて御免だ。勝負は1対1、俺と勝負だ。」
「なっ!?」
「もし俺に勝てたら、デュランダルだけじゃなく、俺の持っているあらゆる物をそいつにやるよ。どうだ?」
「…持っている物の一部を見せて貰えるかしら?」
マーリンが言った。そう言うと思っていたラトリスは、異空間からドラゴンの頭骨を出した。その数8つ。
「まだまだあるけどな。エリクサーもあるぞ。」
「なっ、あの霊薬を!?」
「それらが俺に勝てればくれてやる。どうだ?」
「ガッハッハッ、面白い。アイコス、やれ。」
「ハッ!父上、勿論ですよ。」
「待ちなさいよ。順番はどうするの?」
「そうだな、何か良い方法は無いものか。」
「くじ引きでも何でも決めろ。」
そう言うと、ラトリスは謁見の間を出ていった。それに続いてマリア達も出ていく。と、扉の前にララが立っていた。
「ラトリス…」
「どうした?」
「…本当に戦うの?」
「あぁ。やるしかないさ。」
そう言うと、ラトリスは食堂の方へ向かっていった。
「大丈夫よ、ララちゃん。」
「あの人が負けるところ、想像出来ないわ。」
「怪我ぐらいはするかもしれないですね。」
「大丈夫だよ、ララお姉ちゃん。お兄ちゃん強いから!」
「だと良いのですが…」
ララは不安そうだったが、ラトリスを信用することにした。結局順番はガーランド、ミリー、マーリン、アイコス、マイト、レンの順番になった。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




