シュラン王国
ラトリス達がフィリア王国を出発して七日後、無事にシュラン王国に到着した。
「道中なにも無くて良かったわね。」
「そうね。」
「でもフライの魔法を使えば半分くらいの時間で済んだんじゃないですか?」
「なんか疲れたよ…」
「申し訳ありません。私達も魔法が使えれば良かったのですが…」
それぞれが思ったことを言い、使者の1人が謝罪した。
「もうすぐ城に到着します。」
馬車をひいていた使者がそう言った。
「ラトリス様、大丈夫なんですの?」
マロンがラトリスに聞いた。
「さあな、やってみる価値はあるだろうからここまで来たんだ。何とかするさ。」
長旅の間、馬車の屋根で寛いでいたラトリスはそう言った。すると、馬車は城の前で止まった。
「着きましたわ。ようこそ、シュラン王国へ。」
マロンがそう言った。その大きさはフィリア王国と変わり無さそうなくらい大きかった。
「取り敢えず食事を出してくれないか?もう昼時だしな。」
「そうですわね、その前に父上に会っていただきますわ。」
「ミーナ、ミーアと一緒に城を見せて貰ってきな。」
「どうしてですの?」
「ドロドロした大人の話に子供を巻き込みたくないだけさ。」
「…そうですわね。」
城のメイドを1人連れて、ミーアとミーナは城廻へと向かった。
「謁見の間はこちらです。」
ライザーが案内を始めた。それについていくと、大きな謁見の間に着いた。扉を開けて中へ入る。中には1人の男が立っているだけだった。その男はこちらに気付くと、
「こ、これはマロン姫様。ご無事でしたか!?」
と、言った。
「久しぶりですわ、大臣。お父様は?」
「心身ともにお疲れでして、御自身の部屋で休まれています。して、後ろの方々は?」
「フィリア王国からの使者ですわ。」
「そうですか、ようこそシュラン王国へ。」
「…心身ともに疲れているのか?」
「兄達の問題がありますから。」
「よし、容態を見せてみろ。」
「ラトリス様?」
「何とか出来るかもしれない。会わせてくれ。」
「…解りました。こちらへ。」
謁見の間を抜けて奥へ進むと、豪華な部屋があった。ベッドに横たわる男性が1人、そしてそれに付き添っている女性が1人いた。どうやらこの国の王と王妃のようだった。
「お母様、お父様の容態は?」
マロンが王妃に聞いた。しかし、王妃は首を横に振り、
「余りよろしくないわ。」
と、言った。するとラトリスが不躾にも近付いて、
「ふん、なるほどな。」
「なっ、なんですか、あなた方は!?」
「ただの気疲れだな。病気じゃ無さそうだ。」
「今ようやく眠りにつかれたばかりなのよ!それを…」
「お母様、こちらはフィリア王国からの使者の方々ですわ。」
「フィリア王国の?ではこの国の未来は…」
「この方、ラトリス様はデュランダルを何とかしようと来て下さったのですわ。」
「あの聖剣を?」
「むぅ…五月蠅くて敵わん。何事だ?」
国王が目を覚ました。
「あなた…」
「お父様…」
王妃とマロンが心配そうに国王の顔を見る。すると、ラトリスが国王に言った。
「シュラン王国国王、お初にお目にかかる。」
「むぅ、其方は?」
「俺はラトリス。聖剣デュランダルを貰いに来た。」
「…そうか。あの剣をな。好きにしてくれ。」
「解った、ゆっくり眠るといい。スリープ!」
ラトリスが魔法をかけると、ゆっくりと国王の瞼が閉じ、寝息が聞こえてきた。
「ラトリス様?」
「大丈夫。睡眠の魔法をかけただけだ。ゆっくりと眠れるだろう。」
「…この国の王子2人が争っていて、それを諫めようと必死で。こんな安らかな寝顔、久しぶりに見たわ。」
「そうか。それでデュランダルは何処にある?」
「この城の地下で眠っていますわ。案内を致します。」
「あぁ、頼む。」
マロンに案内されて、ラトリス達は地下へと降りていった。そこには頑丈そうな扉が1つあった。
「この奥に、聖剣デュランダルはありますわ。」
「…有難う。ここまででいい。あとは任せてくれ。」
「いえ、私も一緒に…」
「気が散るから、ここからは俺1人で行く。上で待っていてくれ。」
「…解りました、ご武運を。」
「ラトリスさん、私達も上で待ってます。」
「発狂したりしたら、許さないからね。」
「大丈夫、任せとけ。」
他の人間がいなくなったのを確認して、ラトリスは扉を開けた。
(しまった、食事をするのを忘れてた。)
中に入ってラトリスはそんなことを考えていた。
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