シュラン王国の使者
五日後、再びフィリア城へとラトリス達はやって来た。
「良く来てくれたな、ラトリス殿。」
「約束したからな。で、シュラン王国からの使者は?」
「既に到着しているが、今は客間で休息を取っている。」
「そうか。」
「何か心配事でも?」
「いや、本当にデュランダルだったのか気になってな。」
「我々もまだ確認していないが、確かに異様な雰囲気はあった。」
そんな話をしていると、兵士が1人謁見の間にやって来た。
「国王陛下、申し上げます。」
「どうした?」
「シュラン王国の使者が、休憩はもういいから、国王陛下とお目通りしたいと。」
「そうか、解った。通して構わない。」
「はっ!」
兵士は下がっていった。
「ラトリス殿、いざという時は…」
「戦いになるんだろう?大丈夫だ。」
暫くして、使者達が謁見の間にやって来た。先頭に女性が1人、後ろに男が3人立っていた。
「お初にお目にかかりますわ、国王陛下。私はマロン・シュラン。シュラン王国第2王女ですわ。」
「ようこそ、フィリア王国へ。」
「早速ですが、父上からの手紙がありますの。読んでいただけますかしら?」
「拝見しよう。」
大臣が手紙を受け取り、レイナードに渡す。レイナードは手紙を読んで、
「…これは誠か?」
「手紙の内容は私も知りませんわ。父上はなんと?」
「…デュランダルの所持者をこの国に送る。その者とフィリア王国最強の者を対決させよとのことだ。」
「そうなんですの?」
「デュランダルの所持者とは?」
「私のことです。」
後ろに立っていた男のうちの1人が前に出た。
「お初にお目にかかる。ライザーという。」
「ライザー殿、勝手な発言は控えていただきたいですわ。」
「聞かれたのは私ですからね、答えたまでですよ。」
「ライザー殿と言ったか。その所持している剣が?」
「そう、シュラン王国国宝のデュランダルです。先日、私を所持者と認めてくれました。」
「そうか。我が国の方も準備は出来ているが、本当にやるのか?」
「当然ですわ。」
マロンが答えた。
「どちらかの国がなくなるとしてもか?」
「えっ…」
「シュラン国王からの手紙には、負けた国は国土を勝った国に明け渡すとある。」
「父上ったら、何を考えているのやら。」
「どうするのだ、マロン姫?」
「やりますわ、我が国の聖剣デュランダルに敵はありませんわ。」
「私もフィリア王国の国宝と戦ってみたいと思っておりますよ。」
ライザーは笑って言った。
「ラトリス殿、頼めるか?」
「仕方ないだろう、やるしかない。」
「ほう、見目麗しい女性が所持者ですか。」
ライザーのその言葉に、シュラン王国の使者達以外が苦笑し、ラトリスは不機嫌な顔をした。
「俺は男だ、馬鹿野郎。」
「なっ、嘘だろう!?」
ライザーは驚いて、声がひっくり返った。
「決闘の方法はどうするんだ?」
「そうですわね、どちらかの剣が折れるまで…は無理ですし、どちらかが倒れるまでと言うのは?」
「良いぜ、何でも。」
「信じられん、まさか男だとは。」
「まだ言ってんのかよ。」
ラトリスは呆れかえった。我に返って、
「ま、まあいい。勝利は我が手にある。」
「自信があるようだな。」
「男と解れば全力でいくまでだ。」
対戦方法も決まって、ラトリス達は城の訓練場へと向かった。
(ラトリス、少し良いですか?)
(どうした、カグラ?)
この五日間でカグラと意識だけで会話できるようになっていた。
(伝説の聖剣と言いましたよね?)
(あぁ。)
(あの剣から何も感じないのですが。)
(そうだろうな。)
(やはりラトリスも気付いていたのですか?)
(…しかし油断はしない。全力で叩き潰すぞ。)
(勿論です。)
「ラトリスさん、どうしたんですか?」
「…いや、何でも無い。」
「?」
そしてまもなく訓練場に着いた。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




