8つの武器
翌日、5人で城へとやって来た。城に来ると、ミーシャが出迎えてくれた。
「ようこそ、国王陛下がお待ちです、どうぞ。」
「自分たちでいくから大丈夫だ。済まないが、ミーナを頼めるか?」
「やだ、ミーナも行く!」
「折角だから城を見せてもらっているといい。ついでに美味しい御飯も作ってもらえ。」
「御飯!やったー!」
中々抜け目ない子だった。ミーナをミーシャに預けて、4人で謁見の間に行くと、国王夫妻、レオナルド、ララ、そして大臣が待っていた。
「良く来てくれた、ラトリス殿。」
「何かあったのか?全員いるなんて食事の時ぐらいだろう?」
「まあそうなのだが、問題ができてな。ラトリス殿にしか頼めない事なのだ。」
「また護衛か?」
「いや、全然違う。大臣、あれをラトリス殿に。」
国王がそういうと、大臣がラトリスに近づき、一通の手紙を渡した。ラトリスは受け取り、中を読む。
「…」
「ラトリスさん?」
「そういうことか…」
ラトリスは手紙を読み終えてそう呟いた。マリアはその手紙を受け取り、レイナとミーアは横から見る。
「なになに。えーっと、デュランダルを抜くことが出来た。そちらに参ります?」
「伝説の剣?」
「まさか…」
3人とも目を丸くした。
「他国の伝説の剣を抜いた奴が、この城に来るって事だ。」
「伝説の剣?」
「実際には七聖武器の事だな。デュランダルって事はシュラン王国か。」
「その通りだ、ラトリス殿。」
レイナードは頷いた。
「簡単に言えば、伝説の武器が手に入ったから見せびらかしも含めてこの国を乗っ取りたいって事だろう?」
「そんな…」
「横暴だわ!」
「ラトリスさん、どうするんですか?」
ラトリスは少し考えた。
「七聖武器を超える武器を用意すれば良いじゃないか。」
「そんなもの存在するんですか?」
ラトリスはレイナードを見て、
「この城の地下にあるんだろう?」
「うむ、あれか…」
「何か秘策があるんですか?」
「この大陸にはな、伝説の武器が8つあるんだ。有名なのが他国の七聖武器。そして…」
「最後の1本はこの城にある。」
「じゃあそれを?」
「しかし、あれは抜けた事が無いのだ。幾人もの挑戦者を拒んできたからな。」
「それじゃどうするの?諦めて他国の侵略を受けるしかないの?」
「ラトリス殿なら、剣に関係なく戦えるのでは?」
レオナルドがそう言った。
「悪いが、七聖武器の相手は無手では厳しい。」
「ラトリス…」
ララが心配そうにラトリスを見る。
「…伝説の剣、見せて貰えるか?」
「わかった。大臣、ラトリス殿を案内してくれ。」
「畏まりました。ラトリス殿、こちらへ。」
「ラトリスさん!?」
「3人はここでララ達の相手をしててくれ。何かあったら逃げてくれ。」
そう言って、ラトリスは大臣と共に部屋を出ていった。
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