手紙
翌日、5人はフィリンに戻ってきた。直ぐにギルド協会へ行き、依頼達成の報告に行くと、
「お疲れ様でした。肺鰻50匹、確かに受け取りました。こちらが報酬です。」
報酬の袋を受け取り、5人が安堵していると、
「次の依頼なんですが…」
「おいおい、帰ってきて直ぐに次の依頼かよ。」
ラトリスがツッコんだ。
「そうは言いますけど、何でも受けるってラトリスさん達が言ったんですよ。」
ミクも引き下がらずに言った。
「確かにそうですけど、いくら何でも多過ぎですよ。」
「少し休みたいわよ、こっちも。」
「ほぼ毎日じゃないですか。」
「お腹空いた…」
ミーナだけ見当違いの言葉を発したが、全員思っていることは同じだった。
「じゃあ3日程休まれますか?」
「良いの?」
「急ぐ内容の依頼は殆どありませんから。」
「解った、3日間休むことにするよ。」
「良かった。」
「言ってみるものね。」
「屋敷の掃除もこれで出来ます。」
「ママ、お腹空いたよ。」
と言うわけで、3日間休むことになった。屋敷に帰り、荷物を置いてゆっくりしていると、窓がコツコツ鳴った。全員がそちらを見ると、赤い鳥が窓を叩いていた。
「あれって…」
「ララちゃんの使い魔の?」
「そうだ。」
窓を開けて中に入れると、フーはラトリスの肩にとまった。
「どうした、フー。何かあったか?」
ラトリスは足に着けられていた手紙を外して中を読む。すると、少し険しい顔付きになった。
「ラトリスさん、ララちゃんはなんて?」
「どうやら明日、城に来て欲しいらしい。」
「久しぶりね。行くの?」
「あぁ、明日は休みだからな。」
そう言って、ラトリスは小さな紙に何かを書いてフーの足に取り付けると送り出した。
「疲れているだろうが、頼んだよ。」
そしてフーは飛んでいった。
「さーて、風呂の準備をするか。」
そう言って、風呂へ行ってしまった。手紙は机の上に置いてあったので、マリアとレイナは、
「…読んでみる?」
「止めときなさいよ。」
そんな話をしていた。だが、ミーアがそれを見て、手紙を取り、魔法で焼いてしまった。
「人の手紙を見ることは余り感心しませんよ。」
「「ですよね…」」
異口同音に答えて笑った。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




