Sクラス昇格
翌日、5人連れ立ってギルド協会へやって来た。ドルトムントが直ぐに対応し、5人は執務室へ通されていた。
「そうか、やはりドラゴンが。」
「そこそこ大きかったんですけど、納品しても大丈夫ですか?」
「ドラゴンの素材は、まだまだ少ない方だから、納品してくれると有り難い。それで、君たちの事だ。」
「やっぱりSクラスにならないといけませんか?」
「ドラゴンをも楽に倒せるのだから、是非なって貰いたい。」
「これでSクラスか…」
「不服そうだな?」
ラトリスがマリアとレイナを見て言った。
「実力的にSクラス以上なんだから仕方ないさ。諦めてなるんだな。」
「ラトリスさん、あなたが一番嫌がっていたじゃないですか。」
「何かあったの?」
「俺はSクラスにはならないからな。他人事だし。」
「えっ?」
「約束したのは、今回ドラゴンを討伐したらだろう?俺はそれに含まれないはずだろう?」
「確かに、討伐したのはマリアですものね?」
「レイナも協力したから、一緒にSクラスになるとしても、俺はなにもしていない。だから俺は関係ない。報告してきた斥候もそう話したんじゃないのか?」
「斥候?」
「今回の依頼中、怪しい村人がいただろう?ドラゴンを相手にしていた時は流石に物陰に隠れていたけどな。」
「そういえば…」
「あの人、見たことないと思っていましたけど、ドルトムントさんの手の者だったんですか?」
「そこまでバレていたとは…」
「報告してきたのは、2人がドラゴンを討伐したって話だけだろう?」
「その通りだ。マリアさんとレイナさんの2人だけと言う話だった。」
「じゃあ俺はGクラスのままってことで。」
「そうはいかない、ぜひSクラスになって欲しい。」
「なんでだよ。」
「2人だけだと、ギルド自体はBクラスになってしまうからだ。」
「相違や、3人以上Sクラスが在籍していると、Sクラスになるんだっけ?」
「そうだ。だからラトリスもなって欲しい。」
「ラトリスさん。諦めてなりましょうよ。」
「仕方ない、なるよ。」
「良かった、納得して貰えて。直ぐに手続きを進めよう。」
そう言うとドルトムントはミクを呼んだ。ミクの手続きは早く、あっという間に終わってしまった。
「それでは依頼が来たら、直ぐに連絡するからな。楽しみにしていてくれ。」
そう言われて、ラトリス達は執務室を出た。
「さて、これから大変だな。」
「なぜですか?」
「難しい依頼もたくさん来るだろうからな。Sクラスってのはそういうことだ。」
「楽しみです!」
「腕が鳴るわ!」
「ふふ、お二人とも嬉しそうで何よりです。」
「お姉ちゃん達、おめでとう!」
5人は屋敷に戻っていった。
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