宴会
ドラゴンの解体作業は滞りなく終わった。
「でもこのドラゴン、骨とかだけですけど売ったら幾らくらいになるんですか?」
マリアがラトリスに聞いた。
「この大きさなら、100億ガルド位かな。」
「ひゃ、100億ガルド!?」
「ラトリスさんに借りてる額と同じ位ですか…」
「まあいきなり返せなんて言わないから、2人で山分けすればいい。」
「どうしてですか?」
「ん?」
「どうしていつもそんなに優しいんですか?」
「金に執着してないことか?」
「はい。」
「金はあるに越したことはないが、無理矢理稼ぐものじゃないと思っているからな。」
「それって…?」
「俺が2人を鍛えるために必要だった経費、それは確かに100億ガルド以上かかったかもしれない。でもな、2人は予想以上に強くなってくれた。それが嬉しいから、金なんかどうでもいいのさ。ミーアもそうだ。体をしっかり治して、今も屋敷の事を任せられている。信用や信頼はお金じゃ買えないものだ。だから大切にしたい。それだけさ。」
「ラトリスさん…」
「さあ、解体したドラゴンを早く運ぼう。皆待っているはずだ。」
ラトリスは歩き出した。マリアとレイナはそれに続いた。
村人達の協力もあって、ドラゴンの肉は旨く調理された。残った肉は村の貯蔵庫に保管されることになった。
「でも良いのか、ラトリス君?」
「貴重なドラゴンの肉を村に全部置いていって…」
「まだ大量に異空間に貯蔵してますから。皆さんでどうぞ。」
「…有り難く貰っておくよ。」
そう言って、村長は笑っていた。
「ラトリス君、やはりこの村に残って貰えないか?」
マリアの父親がそう言ってきた。
「…前にも話しましたが、私には好きな人がいるんです。」
「それは聞いたよ。」
「その人に再び会えるまでは、ギルド活動を辞める気はありません。それに…」
「それに?」
「マリアとレイナもまだギルド活動を続けるでしょう。」
「…そうだな。ではラトリス君、2人のことを宜しくお願いします。」
「解りました。」
そんな話をしながら、夜は更けていった。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




