村の雑用 1
翌日から、ラトリス達は雑用を始めた。村の周りにある柵の修理や、周囲に生息する害獣の駆除等だった。
「ラトリスさん、この木を切ってくれるかい?」
「解った。」
剣ではなく斧を振りかざして、次々と指示された木を切っていく。因みに、村にあった斧を使っているので、切れ味はそんなに良くは無いはずなのだが、ラトリスは気にせずに一撃で倒していた。
「ほぇー、すごいもんだな。」
ラトリスな切り方を見て、村人達は驚いていた。しかし、ラトリスにとって、大木を倒すのも、魔物を倒すのも、さしたる違いは無いようで、
「これくらい朝飯前だ。」
そう呟いていた。
「よし、数は集まったな。次は大きさを揃えて、柵の形にしていくだけだ。」
「大きさは?」
「うーん、今より大きくしたいから、2mぐらいかな?」
「了解した。この辺かな?」
そう言うと、丁度よい大きさに次々に切断していった。
「鋸も使わずに、斧だけで切るなんて、どんな力しとるんだ。」
「本当にすげえ…」
「次はどうする?」
「次は打ち込みだ。20cm程地面に打ち込むんだが、まずは杭のように削らにゃならん。暫く休憩しとってくれ。」
「じゃあその時が来たら呼んでくれ。マリアの家にいるから。」
「解った。」
ラトリスはそう言って、泊まっているマリアの家に戻って行った。家ではマリアの母親と、レイナの母親が料理をしていた。
「あら、ラトリスさん。昼食はまだですよ?」
「杭打ちの前に、休憩を貰ったので帰ってきました。何かお手伝いしましょうか?」
「そうですね、似たような事で申し訳ないのですが、薪割りをお願いしてもいいかしら?」
「構いませんよ。裏庭に失礼します。」
そう言って、裏庭に出ていった。
「凄いわねぇ…」
「重労働をものともしないなんて…」
「どんな鍛え方だったのかしら?」
「きっと私達の想像を超えているわ。出来ればこの村に残って欲しい位ね。」
母親達は口々にそう言っていた。そして、夕方までには、杭打ちも終わり、柵の修理も終わりを迎えた。
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