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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
出会い編
7/138

特訓 その2

7話目です。宜しく!

ラトリスが課した特訓を、二人は着実にこなしていた。

「998、999、1000回!」

「も、もう駄目!?」

二人は倒れ込んで、息を荒げた。

「はぁ、はぁ…もうくたくたです。」

「ほっ、本当にそうね。」

「へぇ、1000回出来るようになったんだな。」

二人が後ろを振り返ると、ラトリスが立っていた。

「中々どうして、根性あるなぁ。」

「まぁ、出来るようになるまで他の特訓をしてませんから。」

「それに、キュアの魔法も覚えたから、疲れを感じたら回復すればいいしね。」

「まぁ、普通の奴らはキュアの魔法の本質を知らないし、そもそも使えないからな。ほとんど反則技に近い方法なんだけどな。」

ラトリスは少し笑って言った。

「これなら、次の段階へ進んでもいいかもな。」

「本当ですか!?」

「毎日毎日素振りだけじゃ、少し飽きてたのよね。」

「そうか、そりゃあ悪いことをしたな。」

そう言うとラトリスは少し考えて、

「じゃあ組み手をやるか。」

と、言った。

「組み手?」

「ラトリスさんと?」

「いやいや、二人で組み手をするんだよ。最初は一挙手一投足を1分かけてやる。徐々にスピードを上げていくんだ。受ける方もゆっくりとよける。そういった特訓だ。」

「「…」」

「何だ?嫌か?」

「いえ、何というか…」

「すんごい地味な特訓だなって。」

「地味だけど、恐ろしく為になる特訓だぞ。俺なんか相手がいないから、長らくやっていないけど、対人における戦い方がよくわかるんだ。」

ラトリスはそう言って、

「お互いある程度距離をとって、始めてみな。俺が見といてやるから。言っとくが、これも全力でやるようにな。」

「下着にかかってるリミットの魔法のおかげで常に全力ですよ。」

マリアは少しふて腐れながら言った。

しぶしぶながら二人は距離をとり、ゆっくりと組み手を始めた。最初はゆっくりと、亀でも避けれるのではないかという程のスピードで始めた。

ゆっくりと、しかししっかりとした動作でこなしていくと、不意にぐう~とお腹が鳴った。

「よし、今日はそこまで。昼飯にしよう。」

「そっ、そうですね。」

「本当にお腹すいたわ。今日の昼食は何かしら?」

「今日は久しぶりにガルフの所へ行くか。」

「「賛成!」」

二人は喜んで同時に言った。


「毎日ステーキばかりじゃ飽きてました。」

マリアがそう言うと、

「栄養豊富でカロリー控えめのドラゴンのステーキでは不服なのか?」

「料理のレパートリーの話よ。毎日ステーキばかりじゃ飽きるわよ、普通。」

「…丸焼きにするだけじゃ駄目なのか?じゃあハンバーグにでもしてみるか。」

「…ブツブツ言ってるけど、それもすぐに飽きそうですよ?」

そんなことを言いながら、三人は満腹亭へと歩いて行く。

と、満腹亭の看板が見えたところで、突然戸が開き、中から人が放り出された。

三人の男達は立ち上がると、

「ちっ、二度と来ねえぞ、こんな店!」

「潰れちまえ!」

と、負け犬の遠吠えを挙げながら走り去っていった。

三人が中に入ると、

「また来たんですか!?いい加減にして下さい!」

と、カレンに怒鳴られた。

「来ちゃまずかったか?」

と、ラトリスが言うと、

「ラトリスさん!?すっ、済みません!人違いでした!どうぞ、座って下さい。」

カレンは席へと促した。

三人が席に着くと、

「今日はどうしますか?」

と、今までの喧騒は何処へやら、普通の接客態度へ変わった。

「俺はいつもの日替わり定食で。二人はどうする?」

「じゃあ一緒で。」

「私も。」

「飲み物はどうしますか?」

「いつもの通り水でいいよ。それより、マスターはいないのか?」

「今買い出しに行ってるんですよ。そんなときに限ってあんな人たちが来るんですよ、参っちゃいますよね。」

注文を受けると、カレンは奥へと下がっていく。

少し考えて、マリアが口を開く。

「一体何があったんでしょうか?」

ラトリスは、運ばれてきた水を一口飲んで、

「あれは地上げ屋だな。」

と、言った。

「地上げ屋?」

「あぁ、この辺一帯に縄張り張ってる碌でなし共の嫌がらせだな。俺達の家にも何回か来た事があるよ。殴り飛ばして、街中に裸で逆さ吊りしてやったら、二度と来なくなったけど。」

「さすがにそこまで私には出来ないですから、ほぼ毎日来るんですよ。」

料理を持って、カレンがやってきた。今日のメニューは魚のフライとサラダ、パンだった。

「お父さんも相手にするなって言うんですけど、お客さんとして入って来るんですよ。無下にあしらう訳にもいかないですから。」

「それは大変ですね…」

「なんとかならないのかしら?」

マリア、レイナ、カレンの三人は、ラトリスの方を見た。ラトリスはもぐもぐと魚のフライを咀嚼して、

「ゴクン。いや、俺に任せると店の前がとんでもないことになるぞ。」

「いやいや、そこは“俺に任せろ!“って言うところじゃないんですか?」

「俺が手を出しても、何も変わらんさ。マスターがなんとかするだろう?」

「まぁ、お父さんはそういう人ですけどね…」

カレンは少し落ち込んだ表情を浮かべた。

「俺が手を出したら、勝手な事するなとか、いいそうだからなぁ。まぁ、手はないことも無い。いよいよヤバくなったら、言ってきな。」

それを聞いて、カレンの表情は少し明るくなった。

食事を終えて、三人で帰路に立つ。

「さて、今日の昼からの魔法訓練だが…」

「えっ、ここからやるんですか?」

ラトリスはこくんと頷いて、

「飛行魔法フライを練習しようか。フライで飛んで、家まで辿り着く、それだけだ。着地は何回してもいいから、家までちゃんと辿り着くように。以上だ。」

「それ、地味にキツくないですか?」

「大丈夫、大丈夫!俺は先に帰ってるから。あっ、あと詠唱は禁止な。じゃあな、フライ!」

そう言って、ラトリスは飛んでいった


二人が家に着いたのは夕方頃だった。

「フライの魔法基礎も出来てきたか?」

「はぁはぁ、はっ、はい!なんとか。」

「着地回数は私が12回、マリアが16回よ。」

「ちょっ、レイナ!」

「着地回数は考えなくてもいい。全身に魔力を通す訓練に、フライの魔法は向いているからな。これから覚えていく魔法の基礎が解ればいいんだよ。」

「そうなんですね。」

「明日はもっとキツくなるから、覚悟しとけよ?」

「ひぇぇ…」

「おっ、鬼だわ、鬼が見えるわ。」

そんなことを話して、この日も過ぎていった。

特訓風景書くのめんどくさいなぁ…とかんがえています。まあ、後3話くらい引っ張ります。

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