決勝戦は一撃で…
「それでは、決勝戦を始めます!最後まで残ったギルドは、“天の子猫“、そして“スパイラル“です!」
ギルド“スパイラル“が会場へ入ってくる。若い男女二人ずつのギルドのようだった。
「やっと決勝戦か…」
「今年こそ優勝するぞ!」
「今年はラッキーだったわね。」
「ええ、強いギルドと殆ど当たらなかったし、決勝戦はGクラスとだもの。楽なものよね。」
「相手も運がいいよな。だって、ここまで勝ち進めたってのは、相手が体調不良だったんだろう?」
そんなことを言っていた。それを聞いていた観客からは、
「あいつら馬鹿なのか?」
「途中の試合、見てなかったんだろう。ほっとけ。」
「なあ、どっちが勝つと思う?」
「“天の子猫“だろうよ。」
「だよなぁ。」
そんな声が聞こえて、
「なっ、何だ?俺達の応援じゃないのか?」
「俺達だって、Sクラスギルドなんだぞ!?」
「ふざけてるわね。」
「パパッと終わらせましょう!」
“スパイラル“は俄然やる気になった。一方、“天の子猫“はというと、
「ラトリスさん、もう大丈夫ですよ。」
引き続き、ラトリスはマリアの治療に専念していた。
「火炎草の粉末をまともに受けたんだ。後遺症が残るかもしれないから、念入りにな。」
そう言って、もう一度キュアをかけた。
「試合、本当にラトリスさんが出るの?」
「あぁ、これ以上何されるか解らんからな。」
「私が出ていれば…」
ラトリスは首を振り、
「ミーアのせいじゃない。俺の落ち度だ。まさかあんなことをするとは思っていなかったからな。大丈夫、一瞬で終わらせてやる。」
ラトリスは立ち上がり、壇上へ上がった。
「一瞬て終わらせるだと?生意気な。」
「全員まとめてかかってこい。俺が負けたら、そちらの勝ちでいいぞ。審判、特別ルールに変更を頼む。」
「わっ、解りました。」
“スパイラル“が、4人全員壇上に上がる。
「調子に乗っちゃって、あとで後悔するといいわ。」
「準備はよろしいですか?」
「いつでもいいわよ。」
「早くしてくれ。」
「それでは、始め!」
戦いのゴングがなると、“スパイラル“の4人はばらけようとした。しかし、
「スパーク!」
開口一発、ラトリスが雷の中級魔法を唱えた。その範囲は、壇上全てを覆い尽くした。
「うげっ!」
「ぐわっ!」
「きゃー!」
「うぐっ!」
それぞれが呻き声を上げて倒れ込んだ。本当に一瞬で勝負が決まってしまった。
「審判、まだやるのか?」
「しょ、勝負あり!」
審判がラトリスの勝利を告げた。ラトリスは、壇上を降りて皆の元へ行く。
「本当に一瞬ね。」
「なんか可愛そうに思えて来ます…」
「お兄ちゃん、優勝だよ、優勝!」
マリアはラトリスをみて、
「お疲れ様でした。」
そう言った。
「まあ、気疲れはしたかな。殺さないように手加減するのも大変だ。」
肩を竦めてラトリスはそう告げた。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




