準決勝 前編
“魔法研究会“は、すでに会場へ来ていた。そこには、魔法とは無縁なムキムキの男達が待っていた。
「遅かったな、“天の子猫“!」
変なポーズを取りながら、“魔法研究会“の男の1人が言った。
「逃げたのかと思っていたぞ!」
また変なポーズを取りながら別の男が言う。
「…そのポーズ、何とかならないのか?」
ラトリスが突っ込むが、
「ふん、気合を入れるためだ!気にするな!はっはっはっ!」
…変なポーズは止める気配はなかった。それを気にせず、審判は…
「それでは4回戦、準決勝を始めます!」
と、言った。
「マリア、あと2回勝てば優勝よ。」
「慌てずいきましょう。」
「お姉ちゃん、頑張って!」
「ラトリスさん、何かアドバイスは?」
「“魔法研究会“は、魔法が使えないんだ。」
「そうなんですか?」
「魔法が使えないから研究してるらしい。しかし、身体強化魔法の類いか、やたらと力と防御力が高い。遠距離戦か接近戦かは自分で決めろ。」
「解りました!」
マリアは気合を入れた。
「それでは両ギルド共、前へ!」
マリアが前に出る。すると、
「ふん、小娘が相手か。そこの男は戦わないのか?」
「生憎と、私の番なんですよ。」
「女とみてると痛い目に会うわよ!」
「ならばその実力を見せて貰おうか!」
「それでは、始め!」
戦いが始まった。マリアは剣を抜いて、相手に斬りかかる。すると、相手は後ろに下がり距離を取る。そんなことが7回ほど続き、
(見た目は重そうなのに、早い!)
マリアは少し焦っていた。しかし相手も想像以上のマリアの動きに、
(なんだ、この早さは!?)
と、内心思っていた。更に3回、マリアが剣を振るうが、ことごとくその剣を躱して、
「今度はこちらから行くぞ!」
そう言って、斬りかかってきた。マリアは慌てず剣で受け止めると、ビキッと剣が嫌な音をたてた。
「くっ!」
マリアは後ずさり、距離をとって自分の持っている剣を見ると、剣を受け止めた中程にヒビが入っていた。
「あらら…どうしよう…」
「クックックッ、剣が無ければ戦えまい。早く降参するが良い!」
相手選手が勝ち誇って言ったが、次の瞬間、バキッと音をたてて持っていた剣が折れてしまった。
「なっ!?」
「そっちこそ、剣が無くてどうするんですか?」
今度はマリアが言い返した。
「おのれぇ!」
男はマリアに掴みかかろうとしたが、
「サンダーボルト!」
マリアの魔法の方が早く、雷が相手選手に突き刺さった。
「ヒギッ!」
変な声を上げて、相手選手は倒れた。
「そこまで!」
審判がマリアの勝利を告げた。しかしマリアは少し意気消沈していた。
「“魔法研究会“、次の選手を!」
審判がそう告げたのと同時にラトリスは、
「マリア、この剣を使え。」
マリアに新しい剣を投げ渡した。その剣は、マリアが使っていた剣よりも少し細身の剣だった。
「ラトリスさん、これは?」
「生憎、受け止めるのは苦手な剣だが、さっきの剣よりは使いやすいはずだ。」
「解りました、使ってみます。」
ラトリスから剣を受け取り、気分が落ち着いたマリアだった。
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