対戦相手が決まらない
壇上からラトリスが戻ってきた。
「ふう、終わり終わり。」
「お疲れ様でした。」
「お疲れ様。」
「流石ですね。」
「お兄ちゃん、強い!」
それぞれ思い思いの言葉を述べた。暫くして“鋼魔“のギルド長ラングが目を覚ました。
「くっ、Gクラスと侮ったのが間違いでした。」
「約束通り、全財産没収だな。大会が終わるまでに用意して持って来いよ。」
そう吐き捨てて、ラトリス達は会場をあとにした。控え室では、Sクラスギルド“鋼魔“の敗北の話で持ち切りだった。
「あの“鋼魔“が負けただと!?」
「しかも相手はGクラスだってよ!」
「おい、あいつらじゃねえか?噂のGクラスって。」
ほぼ全員がラトリス達の方を見る。その光景に、ミーナは少し驚いたのか、
「ひぃ!」
変な声をあげて後ずさった。それを見ていたラトリスは、
「見世物じゃねぇんだよ、馬鹿かてめえら!」
と、叫んだ。その声に恐れをなしたのか、全員散り散りになった。
「ミーナ、怖かったわね。」
ミーアがミーナを抱きしめてそう言った。可愛そうに、ミーナは少し震えていた。そんな光景を見て、ラトリスは、
「受付に次の対戦時間を聞きに行こうか」
と言った。
「そうですね。ここだと変に目立ちますから。」
マリアがそう言って、全員で受付に行った。
「次の対戦時間は未定ですが、三時間程余裕はありますよ?」
受付嬢にそう言われて、
「じゃあ外に出ていても大丈夫ですか?」
レイナがそう聞くと、
「はい。別に棄権扱いにはなりませんから。三時間後にまた来て下さい。」
そう言われて、5人は会場をあとにした。
「でもラトリスさん、クリアの魔法を多発して、魔力は大丈夫ですか?」
「ん?別に大丈夫だけど?」
「疲れているんじゃない?」
「気疲れかもな。手加減はしんどい。」
「なるほど。」
「お兄ちゃん、喉が渇いたよぅ。」
「そうだな、何か飲みに行こうか。」
そう言って、街へと出て行った。
きっかり三時間後、再び会場へ戻ってくると、受付に向かう。
「済みません、まだ対戦相手が決まって無くて…」
「あれ?何かあったんですか?」
「ギルド“鋼魔“が破れた事で、破った相手と戦いたくないと棄権するギルドが多数いまして…」
「「「「…」」」」
「それで対戦相手が決まらないのか?」
「はい。もうすぐ決まるそうなんですけどね。」
そこまで話していると、運営の人らしき人物がやって来て、紙を一枚、受付嬢へ渡した。それを読んで受付嬢は、
「お待たせしました。次に相手はギルド“破壊王“に決まりました。」
「“破壊王“?」
「はい。そのように決まったようです。」
「マリア、出番だな。」
「はっ、はい!」
「…落ち着いて行けば勝てる相手だ。大丈夫、特訓を思い出せ。」
そう言って、マリアの肩をポンポンと叩いた。
「そうですね。因みに、相手のギルドは何クラスなんですか?」
「Bクラスですよ。」
「なら、マリアなら余裕じゃない。」
「マリアさん、頑張って下さい!」
「お姉ちゃん、ファイト!」
みんながマリアを応援している。その思いに応えよう、そう考えるマリアだった。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




