表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
ラトリスの過去編
39/138

ラトリスの過去 その8

食い過ぎでしんどいです。

ラトリス、マリク、レイカの三人は中庭に出た。すると、沢山の兵士、騎士達がそこにはいた。

「これに教えるのか!?」

マリクが驚いて叫んだ。

「城中の兵士や、騎士達の様な気がしますね。」

「前はもっと多かった気がするけどな。」

そう言って、中央へ移動する三人。すると、声をかけられた。

「ラトリス殿、お久しぶりですな。」

見るとバーグだった。

「久しぶりだな、バーグ。腕は上がったか?」

ラトリスが聞くと、首を横に振り、

「まだまだラトリス殿の域には達しておりませんな。今日もこうして訓練に参加させて貰う程ですからな。」

「なら、少し手合わせしてみるか?」

「よろしいのですかな?」

「兵達の中には、何で俺が教官なんだ?って顔の奴らもいるからな。」

「そうですな、若い貴殿を疑う者も中にはいるかも知れませんな。お願いしましょう。」

そう言って、間合いを取って剣を構えた。。ラトリスも異空間から剣を取り出し、構える。周りの兵達が何事かと見てくるが、二人は気にしていない。と、バーグが先に踏み出した。袈裟切りに襲いかかるが、ラトリスはそれを受け止めて唾競り合いの態勢になる。

「踏み込みの速度、威力は上がっているな。」

「有難きお言葉ですな、しかし!」

弾いて間合いを再び空け、横凪に剣を振るうバーグ。しかし、それをラトリスは今度は受けずに、後ろに下がって躱し、さらに間合いを広げた。そして、剣をしまう。

「これ以上は怪我の元だ。止めておこう。」

ラトリスは静かにそう言ったが、バーグは汗だくになりながら、肩で息をしていた。

「この緊張感は久しぶりでしたな。」

「なに、本気でやっているんだから、疲れるのも無理ないさ。」

ラトリスはケロッとしているので、周りの人達は何だ?と思うばかりだった。

「まあ、今日も素振りが基本だな。素振り1000回終わったら、俺のところに集合な。」

そう言って、隅っこに移動して座ってしまった。バーグが指揮を執り、素振りを始めた。

一時間位で全員の素振りが終わり、そのまま本来の訓練に移行するかと思いきや、

「次はランニングだ。この城の中を全部走って回るぞ。」

そう言って、ラトリスは走り出した。階段も1歩ずつ上がり、本当に全部を走って回った。その頃には、ほぼ全員が息を切らしていた。

「さて、次は…」

「ちょっと待って、ラトリスさん。」

レイカが止めた。

「いっ、何時もより激しくない!?もう疲れたんだけど…」

「いつもと同じ事して楽しいのか?訓練にならんだろうが。」

「そりゃそうだけど…」

マリクも倒れそうになっていたが、兵士や騎士達はそれどころではないしんどさを味わっていた。それもそのはず、普段走ったりするような格好ではなかったのだから。

「少し休憩をしようぜ。」

「周りの人の事も考えて、ね?」

「根性ねぇなぁ。仕方ない、10分だけ休憩な。水分補給もしておけよ。」

そう言って、ラトリスは何処かへ行ってしまった。ようやくの休憩で、みんな安堵した。しかし、休憩空けに地獄の特訓が待っていた事に、誰も気が付いていなかった。


一日の訓練が終わる頃、全員がへとへとになっていた。仕方なく、全員にキュアの魔法をかけて回ったラトリスは、凄く面倒くさそうな顔をしていた。

「明日はもっとキツいからな。しっかり休めよ。」

そう言い残して下がっていった。目指すはララの元だった。一日中訓練をしていたので、まだ会っていなかったのだ。

「ん?」

前から人がやってくる。ミーシャだった。

「これはラトリス様、ご機嫌いかがですか?」

「やあ、ミーシャ。ララは何処にいるんだ?」

「ララ様は現在入浴中ですよ。」

それを聞いて、

「そうか、解った。」

そう答えるしかなかったラトリスだった。

「ララ様も、寂しそうにしておられました。入浴が終わりましたら、お部屋へ呼びに行きますが?」

「いや、食事の時でいいよ。別に急ぐ話じゃないからな。」

「左様ですか。」

それだけ言って別れた。

「しかし暇だな。」

ラトリスは一人愚痴って部屋へ戻った。すると、マリクとレイカがそこにいた。

「ようやく戻ってきたな。」

「待ってたのよ?」

「なんだ、どうした?」

「国王陛下達にあんな態度取るから心配で…」

「あぁ。」

これまでの経緯を二人に話した。

「そんなことが…」

「だからタメ口聞いたりしてたのね。」

「そう言うわけだから、気にするな。」

「気にはするよ。」

「そうよ。いきなり打ち首とかは勘弁だもの。」

「そんなことする奴らじゃないさ。」

そんな話をしていると、食事の時間になった。


次の日も、その次も訓練ばかりが続いた。ララと話せる機会も殆どなかったが、それなりに充実した毎日を過ごした。…あの日が来る迄は。

読んでくださっている方々、本当に有難う御座います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ