ラトリスの過去 その6
平成最後の更新です。令和になっても宜しくお願いします!
「ってな事があってな。」
そう言いながら、ラトリスは冷めてしまったお茶を飲んだ。マリアとレイナはクスクス笑っている。
「国王の名前を知らなかったり、ドラゴンの頭骨をドカンと出したり。」
「規格外にも程があるわね。」
そこまで言って、二人は笑うのを止めて、
「でも、兄さん達がこの街へ来てすぐに2億ガルド持って帰ってきた理由が解りました。」
「そうね。普通、見ず知らずの人に貰うなんて出来ないって、みんなで話をしたわ。」
「結局あの金はどうしたんだ?」
「基本は村の人達の治療費に当てたんです。それでも充分残ったんで…」
「半分は今もあるわね。残りは村の水路とかに使わせて貰ったわ。」
「そうか、なら良いんだ。ちゃんとあいつらの話通りならな。」
ラトリスは、くくくっと、笑っていた。
「でもお兄ちゃん。」
ミーナがラトリスに聞く。
「ママとその頃知り合っていたのに、どうして勧誘しなかったの?お兄ちゃんなら出来たんじゃ無い?」
「いや、あの頃のミーアは、それどころじゃ無かったんだよな?」
「そうですね。まだまだ半人前で、母の教育の真っ最中でしたから、誘われていても断っていたでしょうね。」
新しいお茶を持って、ミーアがやってくる。
「当時のお兄ちゃん、見てみたかったなぁ。」
「その当時の写真ならあるぞ。」
そう言って、ラトリスは席を立つ。2分位で戻ってきて、一枚の写真をみんなに見せる。
「わぁ、格好いい!」
「兄さん達も写ってるんですね。」
「ふふっ、幸せいっぱいな顔を三人ともしているわ。」
「まあ、幸せだったのは、その頃までかな。」
マリア、レイナ、ミーア、ミーナが一斉にラトリスの方を見る。
「ギルド登録してから、二人に特訓をしてたんだが、物覚えが二人とも悪くて…二年位仕事にも行けなかったんだ。」
「その間の食費とかは?」
「全部俺持ち。」
「姉さん達…」
「だから二人は優秀だっていったろ?」
ラトリスの笑い声が響く。
「たまに王都からの呼び出しに応じたりしていたけど、よく覚えているのは、あの時かな…」
そう言って、再び話し始めた。
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