ラトリスの過去 その4
ようやくマリクとレイカが出てきますよ。
それからの2ヶ月間は、特訓に明け暮れていた。新魔法の修得や体に負荷をかけての特訓だった。
瞬く間に2ヶ月が過ぎ、ギルド協会に冒険者登録が出来る15歳になった。
「さて、ギルド協会へ行くか。」
1人でギルド協会へ行くと、昼間なのに人が多かった。迷わず受付に行き、
「済まない、ミクさんはいるか?」
と、受付嬢に質問すると、奥へ行き、ミクを連れてきた。
「あら、ラトリスさん。とうとう15歳になったのですね?」
「あぁ、冒険者登録を頼みたいんだ。」
「解りました。それでは、この書類に必要事項を書いて下さいね。」
そう言って、紙とペンを差し出した。
(余り本気で書かない方がいいか。)
ラトリスはオールラウンダーと書き、それ以外の魔法の欄などは適当に書いた。
「はい、承りました。少々お時間を頂きますね。」
ミクは信じたのか、そのまま受領して奥へと下がっていった。
(しかし、人が多いな。)
周りを見てラトリスが思う。5分後、ミクが再び出てきた。
「それでは、これが冒険者カードになります。亡くさないように注意して下さいね。登録料は100ガルドになります。」
ラトリスはお金を払って、ミクに聞いた。
「今日は人が多いようだが、何かあるのか?」
「あぁ、あなたと同じ、ギルド協会に冒険者登録をしに来る人が最近多くて。ギルド勧誘のためですね。優秀な人材確保ですよ。」
「なるほどな。俺には関係ないか。」
「自分でギルドを作る事も出来ますよ。お金がかかりますし、3人メンバーを集めないといけませんけど。」
「やはり、関係無いな。」
「結構冷めてますね、ラトリスさんは。」
フフフと、ミクは笑っていた。っと、そこへ…
「済みません、冒険者登録をしたいのですが。」
新しく冒険者登録をしに来た人がいた。ラトリスがそちらを見ると、若い男女だった。
「失礼ですが、年齢は?」
「後ひと月で15歳です。」
「私も。」
「済みませんが、15歳未満の方は登録出来ません。そういう規則ですので。」
「そんな、お願いです。出来ると思って村を飛び出してきたんです。」
「どうにかなる方法は無いですか?」
「無理です。1ヶ月、この街に滞在するかして、それから来てください。」
そう言われて、肩を落とす2人。っと、そこで2人がラトリスに気付く。
「あんたも登録しに来たのか?」
そう聞いてきた。
「あぁ、そうだ。」
「てことは、あんたは15歳だよな?」
「そうだが、なんだ?」
「頼む、俺達の保証人になってくれ。15歳以上なら保証人になって、冒険者登録が出来るんだ。」
そう言って、頭を下げてきた。
「話が見えないし、どういうことだ?」
ミクが間に入る。
「つまり、親以外の第三者の15歳以上の方なら保証人になって、冒険者登録が出来るんです。」
「…何でそんなにすぐに冒険者になりたいんだ?」
「それは…」
「私達、お金が必要なんです。」
女がそう言った。
「村が貧乏で、すぐにお金が必要なんです。病気になっている人たちもいて、大変なんですよ。」
それを聞いてラトリスは少し考えて、
「ならしょうが無いな。俺が保証人になるよ。」
「ほっ、本当か!?」
「嘘を言ってもしょうが無いだろう。」
「助かります!」
「ラトリスさん、本当に良いんですか?」
「ただの登録だろう?」
「まあ、登録さえ済めば、後は関係無いんですけど、この後にも2人から話を聞いて、この人なら大丈夫とか言って、登録者があなたのところへ来てしまうことになるかも知れませんよ?」
「この2人なら大丈夫そうだ。今回だけな。」
「はぁ、解りました。お二人とも、此方へ。」
そう言って、2人をミクは促した。
「それでは、この用紙に必要事項を書いて下さいね。」
紙とペンを差し出すと、急いで2人は書き始め、あっという間に書き終えた。ミクはそれを受領して、奥へと下がっていった。
「助かったよ。」
「…いや、それはもう良い。」
「あっ、名前、言ってなかったね?」
「俺はマリクだ。」
「私はレイカです。宜しくお願いします。」
「…ラトリスだ。」
「ラトリス?女みたいな名前だな。」
「よく言われるよ。」
程なくして、ミクが出てくる。
「お二人とも、お待たせしました。これが冒険者カードになります。」
「有難う。」
「有難う御座います。」
2人はそれを受け取ると、
「ラトリス…さん?有難うな。」
「本当に有難う御座います。」
「いや、良いよ。気にするな。それより…」
ラトリスが聞いた。
「金が要るって、幾らぐらい必要なんだ?」
「んー、一応1億ガルド位?」
「膨大な金額だな。」
「取りあえず、ギルドに登録して、それから貯める方法を探すさ。」
「それだと間に合わないんじゃ無いのか?」
「えっ…」
そう言ってラトリスは、
「ミクさん、素材の換金は何処で出来る?」
「えっ、私で大丈夫ですよ?どうしたんですか?」
それを聞いて、ラトリスはアクセスの魔法を使い、異空間からドラゴンの頭骨を出した。
「これを換金してくれ。」
「こっ、これは!?」
「昔、人から譲って貰ったものだ。幾らで買い取ってくれる?」
「今から査定しますけど、10億ガルド位かしら?」
「じゃあ換金してくれ。」
「はっ、はい!解りました!」
そう言って、ミクは査定を始める。
「あんた、一体何者なんだ!?」
「ん?なにがだ?」
「普通、アクセスの魔法は大きな物は入れられないって…」
「…俺の師匠からの受け売りでな。便利に改良したんだよ。」
そう言って誤魔化した。
数分後、ミクは査定を終えて、
「お待たせしました。17億ガルドで引き取らせて貰います。」
「7億増えてないか?」
「ここ数年間、ドラゴンの頭骨を納品されたギルドも冒険者もいないですから。それだけ貴重なんですよ。」
「そうか、じゃあそれで売るよ。」
「有難う御座います!」
そうしてお金を受け取ると、2億ガルドを2人に差し出した。
「これは?」
「村に帰って届けてやれ。病気の人たちのためにな。」
「そんな…受け取れませんよ。」
「困っていたらお互い様、師匠からの受け売りなんだ。良いから。」
そうして2人は受け取って、
「借りは必ず返すからな、ラトリスさん。」
「…期待しないで待ってるよ。」
「住まいは何処なんです?」
「この街の一番デカい屋敷だ。また会おう。」
そう言って、ラトリスはギルド協会を出ていった。すると外でいきなり…
「おい、待て小僧!」
絡まれた。
「何かようか?」
「身包み置いていきな。小僧にはそんな金、多過ぎだろう?」
「俺から奪って、更にあいつらからも奪うつもりか?」
「けっ、解ってんなら話は早い。とっとと寄越せ!登録してすぐのGクラスじゃあ、俺達Aクラスには勝てねえよ!」
「AクラスだかSクラスだか知らないが、売られた喧嘩は買うぞ。」
相手は6人だが、ラトリスは物怖じしない。
「痛い目にあわせてやれ!」
そう言って、突っ込んできた。一人目をボディブローで倒し、二人目を肘鉄を食らわせて倒した。残りの4人にはサンダーボルトの魔法で黙らせると、一息ついた。
「ったく、何処にでも阿呆がいるな。運動にもなりゃしない。」
そう1人愚痴った。そして、再び歩き出した。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




