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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
出会い編
3/138

食事の時

3話目です。宜しく!

ラトリス、マリア、レイナの三人は、街の中心から少し離れた路地に来ていた。

「ラトリスさん、どこに向かっているんですか?」

「人通りも無くなってきてませんか?」

二人の質問に、ラトリスは答えない。ただ黙々と歩き続けた。

と、不意にある一件の店の前で歩みを止めた。

その店の看板には“食事処 満腹亭“と書かれていた。

ラトリスは店の戸を開けて中に入り、

「マスター、いるかい?」

と、言った。

「いるよ。何時もの席に座りな。」

中から声がした。

マリアとレイナの二人も店に入ると、

「何だ、人を連れて来てたのか?じゃあカウンターは失礼だな。奥のテーブルに座りな。」

と、マスターと呼ばれた初老の男が言葉を続けた。

「あぁ。マリアとレイナだ。二人とも、この人はガルフ。この店のマスターだ。これから色々世話になるだろうから、覚えとくといい。」

「おい、ラトリス。この二人はまさか…マリクとレイカの?」

「そう、あの二人の妹だ。」

「そうかぁ、あの二人が言っていた。ふーん、中々可愛いじゃないか。」

「兄達をご存じなんですか?」

「二人もよくうちに来ていたからな。確かに面影はあるな。しかし、懐かしいなぁ。」

すると奥から一人の給仕服を着た女の子が出て来た。

「ラトリスさん、いらっしゃい!」

「カレン、久しぶりだな。」

カレンと呼ばれた女の子が笑顔で、

「そちらのお姉さん達も、いらっしゃいませ!」

「あ、どうも初めまして。」

それぞれ挨拶を交わし、一番奥のテーブルに三人は着席した。

「カレン、いつもの定食を三人前頼む」

「かしこまりました!飲み物はどうしますか?」

「俺は水でいい。二人は?」

「わ、私も水で。」

「私も。」

注文を受けると、足早にカレンは奥に下がっていった。

「そういえば、二人は何歳なんだ?」

「二人とも、15歳です。」

「そうなのか。」

「ラトリスさんは何歳なんですか?」

「19だよ、ラトリスは。」

水の入ったグラスを三つ持って、マスターがやってきて言った。

「年相応の顔はしてるつもりなんだがな。どうにも20歳は超えているように見られるんだ。あと半年程で20歳に成るけどな。」

「そうなんですね。でも、確かに大人びた印象があります。」

「男なのに女に見られる方が屈辱なんだが。まあ、もう慣れてる。この間は仮面着けてたのは、修行してたからだしな。」

「修行?」

「お前達二人にも関係あるけどな。とりあえず今は食事だ、食事。この店の料理は安くて量も多いからな、オススメだぜ。」

「ふん、味の保証もしておけよ。普通の店なんかよりは圧倒的に旨いはずだぜ。」

「どんな料理なんでしょうか…」

「日替わり定食って、聞いたこと無いわね。」

マリアとレイナの二人はドキドキしていたが、その時、奥からトレイを持ってカレンが出て来た。

「お待ち遠様、今日の定食ですよ。」

トレイには山盛りのトマトソースパスタと、サラダが三人前乗せられていた。

それを見てマリアとレイナの二人は、

「ちょっと!多過ぎませんか!?」

「さすがに食べきれませんよ!?」

と、叫んだ。

「大丈夫。ラトリスさんが残ったら食べてくれますよ、ね?」

「へぇ、今日はパスタか。」

二人は若干引き気味になった。

「この量を食べきれるって、どんな胃袋してるんですか!?」

「え、しっかり動き回るとその分腹が減るからな。まあ、食べきれないことはないさ。それより、早く食べようぜ。」

三人は食べ始めた。

「あれ、でも見た目よりさっぱりしていて、とても美味しいです。」

「本当。全部食べきれるかも。」

「だろう?カロリーも控えめだから、女性でも心配なく食べられる。腹もしっかり膨れる料理ばかりだからな。マスターの店の料理は。オススメする理由がわかっただろ?」

「「はい!」」

三人はあっという間に食べ終えた。そこにカレンが再びやってきて、

「デザートです。」

といって、クレープのような物を差し出した。

「料理はどうでしたか?」

上目遣いで聞いてきたので、

「とても美味しかったです。」

「こんなに美味しいとは思ってませんでした。」

「そう言って頂けて、とてもうれしいです。」

デザートを食べ終えると、

「さて、お勘定を頼む。」

と、ラトリスは言った。

「はい。900ガルドです。」

「えっ!?あれだけの料理で900ガルドですか!?」

「はい。殆ど趣味でやっている店ですから。それに、日替わり定食はこれぐらいの値段でも元が取れる位なんですよ?」

「おい、ラトリス。情報料の支払いはどうする?」

ガルフがラトリスに訪ねた。

「何かいい情報があるのか?」

「ギルド協会会長が代わったのを知ってるか?」

「いや、ドルトムントが辞任でもしたのか?」

「今調査中だが、自分から辞めたわけじゃなさそうだ。なんかきな臭いから、調べておくか?」

「あぁ、頼む。ドルトムントのおっさんが、俺に黙って辞任する分けないからな。…情報料は50万でいいか?」

「あぁ、いいぜ。これからの話も混みでな。」

ラトリスはアクセスの魔法を使い、異空間から袋を取り出し、中から50万ガルドを支払った。

「一体なんのやり取りを?」

「マスターはこの街の情報屋でな。色々情報を貰ってるんだ。腕は確かだしな。」

「だからこの店は趣味みたいなものなんですよ。もっと有名な店に私はしたいんですけど…」

「まあ、いいんじゃないか、今のままでも。」

マスターはあきらかに不機嫌そうに頭を垂れてそういった。

「ま、その話は二人でやってくれ。俺たちは帰るから。」

「おう、また来いよ!」

「ありがとうございました。また来てくださいね。」

「こちらこそ、ご馳走様でした。」

「また来ます。」

三人は連れだって店を出て、家路についた。

「二人の部屋は、用意しておいたから、帰ったら風呂に入って、ゆっくり寝るといい。明日から特訓開始するからな。」

「はい!頑張りましょうね、レイナ。」

「えぇ、お手柔らかにお願いしますね。」

ラトリスは少し笑っていた。

これからどうなるのでしょうか。

次回から特訓開始です。

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