知り合い
書くのが楽しい。ただし、殆ど知られていないので、読んでくださっている方がいない…
ラトリス、マリア、レイナの3人は受付までやって来た。すると、ミクが対応した。
「こんにちは、3人とも元気そうで何よりです。」
「こんにちは、ミクさん。」
「それで、今日はどうしたの?」
「ドルトムントさんに呼び出されてました。」
「あぁ、あの件ですね。皆さんのクラスを上げるとか。で、ラトリスさんは拒否したと?」
「そこまで解るんですね…」
「うふふ、付き合いも長いからね。」
「そんなことはどうでも良い。依頼が来てないか、教えてくれ。」
「はいはい。…うーん、ギルド“天の子猫“への依頼は1つも無いですね。」
「そうですか…」
マリアは少し寂しそうな顔をした。
「知名度は上がっているんですが、Gクラスですからねぇ。信用度の問題じゃないかと。」
「信用度?何それ?」
レイナが聞いた。
「つまり、依頼したとして、それを必ずこなしてくれるかどうかという話です。Gクラスのギルドではそれがあまりよくないんですよ。昔から自信のあるギルドは、ある程度クラスを上げていますからね。ラトリスさんに直接依頼する人もいなかったですから。」
「ん?俺に依頼?」
「過去に何件か依頼があったのに、忙しいとかで断っていたでしょう?」
「うーん、覚えていないな。」
「確か、特訓しているから今は無理とかなんとか。」
「あぁ、思い出した。3年前にそんな話があったな。犬探しとか、溝さらいとか。」
「そんな依頼が!?」
「ちょっと、人聞きの悪い事を言わないでください!そんなわけ無いでしょう!」
「ですよね。じゃあどんな依頼が当時来ていたの?」
「殆どが魔物討伐依頼でしたよ。スチールバイソンとか、ボーンソルジャーとか、一番多かったのはストーンドラゴンの討伐でしたね。」
「当時は無茶をやってたからな。何でも倒すと息巻いていた。」
「ギルド協会を通さないと、クラスアップにはなりませんからね。実際ラトリスさんのクラスはSクラスよりも更に上なんですよ。」
「解ります。」
「そりゃあねえ?ドラゴン強襲事件を解決した人らしいですから。」
「人を化け物みたいにいうなよ。結構傷つくぞ。」
「ラトリスさん、もう少しクラスアップの事を、真剣に考えて下さいよ。それがマリアとレイナの為にもなるんですから。」
「…考えておくよ。」
そうラトリスは答えた。マリアとレイナの2人は、少し嬉しそうだった。と、突然ギルド協会の入り口の扉が勢いよく開けられた。何事かとその場にいた全員がそちらを見ると、小さな女の子が立っていた。その子は息を切らしながら受付までやって来た。
「あの、依頼がしたいんです。」
か細い声で女の子が言った。
「どのような依頼でしょうか?」
受付嬢が対応すると、
「ママを助けて欲しい…」
そう言って、フラフラと倒れてしまった。それを見ていたマリアが近づき、キュアの魔法をかけた。すると女の子は目を覚まし、
「…ママを助けて。」
同じ事を繰り返して言っていた。
「ん?まさか…ミーナか?」
ラトリスが近づいて女の子に聞いた。
「…はい。私はミーナですけど、あなたは…?」
「ラトリスさん、知り合いですか?」
レイナがラトリスに質問する。
「あぁ、昔の知り合いの娘に似ていたから、もしかしてと思ってな。ミーナ、ミーアがどうかしたのか?」
「…病気にかかっていて、それを直して欲しいんです。」
「病気…きな臭いな。あいつが病気にかかるなんて…」
「ラトリスさん、どうするの?」
「ギルド協会としてはどうなんだ?依頼として受けてくれるのか?」
「えっ?それは大丈夫です。正式な依頼として受けますよ。」
ミクは驚いていたがそう答えた。
「解った。その依頼、俺達が受ける。」
「ラトリスさん、本気ですか?どんな依頼か解らないんですよ?」
「小さな女の子が助けを求めてるんだ。しかも、知り合いの娘なら尚更受ける。」
「ラトリスさん…」
「ミーナ、案内を頼む。俺が背負って行くから、2人は付いてきてくれ。」
「解りました!」
「解ったわ!」
そうして4人でギルド協会を出ていった。
読んでくださっている方々、本当に有難う御座います。




