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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
ちょっとした仕事編
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道中そして黒幕

ソフトバンクホークスが勝った!嬉しくて更新しました!やったぜ、内川!

昼食を堪能したラトリス達は、出発の準備をしていた。

「回復薬、解毒薬をしっかりと準備しろ!」

「武器、防具の準備も怠るな!」

威勢の良い声が響いていたが、ラトリスは、

「おーい、全員集合しろ。」

と、叫んだ。ララ姫の護衛として30名の騎士達が集められていたが、ラトリスはそれを見て、

「ルード、それとそこのお前等二人、そう、お前達だ。それ以外は付いてこなくていい。」

そう言った。

「「「は?」」」

ルード達30名は間の抜けた返事を返した。

「たかだか隣町まで行くのに30名って、阿呆かお前等。姫や王がどう思おうが、この中から行くのはさっき言った3名で充分だ。後の奴らは訓練でもしていろ、以上だ。」

そう言って、下がってしまった。残された騎士達がルードに食い下がるが、ラトリスの決めたことだと言って宥めた。

「ラトリスさん、本気ですか?」

「ん、何がだ?」

「護衛の件よ。私達も含めて6人で大丈夫なの?」

「ララが無事ならいいという訳じゃないからな。人数は少ない方が良いだろう。」

「「?」」

ラトリスが言った意味が二人にはわからなかった。


改めて、メンバーとして残ったのは、ラトリス、マリア、レイナ、ルードとその部下2名、ララ、そして馬車を引く従者が3名となった。先頭の馬車にはルード達3名、真ん中の馬車にはマリアとレイナ、そしてララが、最後の馬車にラトリスが乗り込む事になった。

「本当に大丈夫なのか?」

ルードは心配で、部下に愚痴っていた。

「大丈夫…だと思いますよ?」

マリアが答えた。

「こういう時に冗談を言う人じゃありませんから、ラトリスさんは。」

そう言うと、ルードは少し安心したのか、大声で、

「乗り込み次第、直ぐに出発する!」

と、叫んだ。

午後1時過ぎ、三台の馬車が城を出た。


無事に王都を出て1時間ほど経った頃、それでも2台目の馬車の中はギルド戦の話で盛り上がっていた。

「それでラトリスさん、えげつない方法でそのギルド長を倒したんですよ。」

「あれは凄かったわ。暫く夢に出たもの。」

「そうなんですね。ラトリスが怒るなんて、よっぽどの事じゃないですね。」

「そういえば、ララはラトリスさんを呼び捨てにしてるわよね?」

「はい、ラトリスが昔初めて会ったときに、友達なら呼び捨てにしろって言ってたんです。それ以来、呼び捨てですね。」

「出会ったときから、ラトリスさんはあんな感じなんですか?」

「そう…ですね。でも、話し方は怖いけど、優しい人ですよ。」

「それは思うわ。特訓を受けていた時も、私達の健康状態とか、心配してくれていたし。」

「お二人は、ラトリスの特訓を受けたんですよね?どんな感じでしたか?」

「うーん…」

「一言で言えば…」

「「地獄。」」

二人同時に答えた。それを聞いたララは笑っていた。


そんなやり取りがあったのを知ってか知らずか、ラトリスがくしゃみを1つした。

「旦那、風邪ですかい?」

「いや、噂だろう。」

従者と話をしながらラトリスはもう一回くしゃみをした。

「さて、そろそろかな。」

「はい?どうしたんですか?」

「この先、500mほど先に盗賊か何かがいる。」

「…えっ?」

「恐らく目的は姫様だな。」

「ちょっ、冗談ですよね!?」

従者は驚いて聞き返した。

「いや、マジだよ。人数は…12人か。少し多いな。」

「ちょっと、どうするんですか!?」

「このまま進め。速度はこのままでいい。」

「旦那はどうするんで!?」

「先頭の馬車に話をつけてくる。」

そう言って、フライの魔法を使って先頭の馬車に乗り込む。

「らっ、ラトリス殿。一体何を!?」

「賊がいる。数は12人だ。戦えるか?」

「12人!?どんな奴か解らないなら、厳しいです。」

「そうか…ならば速度を落とせ。止まる準備をしろ。」

ラトリスは先頭の馬車の従者に指示を出した。程なくして速度が落ち、停車する。

ラトリスは二番目の馬車に近づき、

「マリア、レイナ!」

と、声をかけた。2人とも臨戦態勢を整えていた。

「敵ですよね。」

「そうだ。マリア、下車して一緒に戦ってくれ。レイナは…」

「ララの護衛ね。任せて!」

ラトリスは少し笑って、

「流石だ。」

と言った。

馬車を降りて、先頭の馬車を追い越し、2人で前進すると、森の奥から12人の賊が出て来た。

「おい、お前等。あそこに止まっている馬車の奴らか?」

「だとしたらなんだ?」

「あの馬車に乗ってる人間は全員捕獲しろって言われてるんだ。大人しく捕まれば、痛い目に遭わずに済むぜ?」

「馬車になんのようだ?」

「ララ姫が乗ってるんだろう?その姫さんに用があるのさ。」

「馬鹿野郎!答える必要なんかねぇだろう!」

「すっ、すまねぇ兄貴。」

「ったく、まあいい。さあ、とっとと武器を捨てて大人しくしな。」

「マリア、何人倒せる?」

「全員倒せるけど、一瞬でなら5人が限界です。」

「そうか、右の5人を頼む。残りは俺がやろう。」

「何をごちゃごちゃと…」

そう賊の頭らしい男が言った瞬間、ラトリスとマリアは同時に駆け出していた。マリアは敵の1人に肉薄し、鞘付きのまま胴を薙いだ。続けて3人固まっていたので、もう一閃、そちらへ剣を振るった。見事に胴に命中して吹き飛ぶ3人。最後の1人は何が起こったのが解らずにいたが、マリアが鳩尾を鞘で突いて沈黙させた。それと同時にラトリスは、

「サンダーボルト!」

と、叫んで、一斉に沈黙させた。一瞬でケリがついてしまい、

「なんだ、呆気ない。」

と、ラトリスは言った。

「まあ、護衛対象が無事ならそれでいいじゃないですか。」

マリアがフォローする。そしてラトリスは気絶している頭と思われる男に気付けと言わんばかりに鳩尾に蹴りをいれた。その一撃で男は目を覚ました。

「ぐぅ、げほっ!」

「お前を雇った奴は誰だ?」

「…」

男は答えない。少しラトリスは考えて、

「仕方ない。カースの魔法を使うか。」

それを聞いて、男もマリアもドキッとした。

「ひっ、人でなしか!?」

「ラトリスさん、それはちょっと…」

「答えないなら仕方ないだろう?犯人は大体想像できるが、聞き出さなきゃしらばっくれるだろうし。」

「わっ、解った!答える!答えるから、カースの魔法だけは止めてくれ!」

男が懇願した。

「なら、雇い主は誰だ?」

「…ウィードって言う貴族さ。」

「!ラトリスさん、それって…」

「あぁ、今から行く予定だった野郎だな。全く、何考えているんだか。」

「なあ、正直に答えたんだ。見逃してくれ!」

「そうさなぁ。」

丁度その時、後方の馬車からルード達がやって来た。

「ラトリス殿、賊は?」

「見ての通り捕まえた。縄で縛るから、手伝ってくれ。」

5人は手分けして賊12人を縛った。最後尾の馬車に11人を乗せると、

「どっちか1人、王都へ帰ってこいつらを牢屋に入れろ。」

ラトリスはそう伝えた。騎士の1人が馬車に乗りこんで、元来た道を走り出す。残った1人、賊の頭を先頭の馬車に乗せた。

「お、俺をどうするつもりですか!?」

「今からウィードのところへ連れて行く。そこでもう一度証言するんだ。」

「…ぐっ。」

賊の頭が項垂れたのを見て、2台目の馬車へとラトリスは向かう。レイナとララは無事だった。

「ラトリス、マリア、大丈夫?」

ララが心配そうに聞いてきた。

「大丈夫だよ、ララ。」

「俺を誰だと思ってるんだ?」

2人は笑顔で答えた。

「先を急ごう。ララ、休憩は必要か?」

「いいえ、必要ありません。」

「じゃあ、全速力で行くからな。かなり揺れるぞ。」

「はい。」

そう言って、馬車は道沿いに全速力で走った。


ウィードの家に着いたのは、午後5時位だった。ラトリスは魔時計を見て、

「少し早かったな。まあいい。ララ、ここで待っていてくれ。ウィードに話があるんだ。」

「?はい、解りました。」

「ラトリスさん?」

「マリア、レイナ。ララを頼む。」

「解りました。」

「何かあるのね。聞かないけど、気をつけて。」

マリアとレイナにララを任せて、ウィードの家に入ろうとする。

「ラトリス殿、自分達も行きます。」

「別に来なくてもいいんだが?」

「この男の監視も必要でしょう?」

「…じゃあ頼む。」

そう言って、ラトリス、ルード、護衛騎士の3人は賊の頭を連れて屋敷に入った。


屋敷に入ると、特にパーティーは開かれていなかった。

「おかしいですね。」

「ほっほっほっ、なにがですかな?」

屋敷の奥から笑い声がした。

「おかしいのはそちらですよ。ララ姫が来ると思っていたら、お頭さん、これはどういうことですかな?」

ウィードが言う。

「なるほど、誕生日会は嘘か。」

「どういうことですか、ラトリス殿?」

「つまりはララを誘拐か殺害して、国王に成ろうとした、ってところか?」

「何っ!ウィード、貴様!」

「ほっほっほっ、しかし外に姫はいるのでしょう?ならば問題はありませんよ。」

ウィードは指を鳴らす。すると、ゴロツキの様な男達がぞろぞろと出て来た。その数、30人。

「さて、あなた達には用がありませんので、ここで死んでもらいますよ。」

「くっ、ラトリス殿、姫を連れて逃げて下さい!」

「…はぁ。」

ラトリスは深い溜息をついた。

「お前等、俺を舐めすぎだ。ルード、外に出ろ。」

「えっ?」

「いいから出るぞ。」

ラトリスは踵を返して外に出た。ルードと騎士、そして賊の頭も外に出る。するとラトリスは振り返って屋敷に向かって、

「燃え尽きろ、フレア!」

と、叫んだ。火の極大魔法が屋敷を包み込み、全体を焼き尽くす。中から複数の悲鳴が聞こえる。

「阿呆か、人質もいないのにまともに相手する馬鹿がいるか。」

しっかり5分ほどそのまま放置して、余所の家に燃え移らないようにウォーターの魔法で鎮火していく。

「ラトリスさん…」

「なんというか…やりすぎ。」

マリアとレイナは肩を落とした。

「これで…よかったのでしょうか…」

「まあ、一件落着だろう?」

ラトリスはあっけらかんと言ってのけた。


ララは馬車に乗ったまま眠っていた。この騒ぎで寝られるとは、かなり図太い性格なのではとマリアとレイナは思っていた。ラトリスがララを起こし、

「ララ、パーティーは無かったんだ。残念だけどな。」

「ムニャムニャ…そうなんですか。残念ですぅ。」

「今からルード達だけで城に連れて帰るらしいけど、息災でな。何かあったらフーを飛ばしてくれ。直ぐに行くから。」

「はい。解りました。マリア、レイナ、今日は本当に楽しかったです。有難う御座いました。」

「此方こそ…」

「凄く楽しかったわ。また会いましょうね。」

それぞれに別れを告げる。

と、ルードがラトリスの元にやって来た。

「ラトリス殿。本日は有難う御座いました。」

「ん?気にするなよ。」

「またお会いして、色々教えて頂きたい。」

「王都へ帰ったら、バーグの師事を仰げ。それでも足りなきゃ依頼してこい。仕事ならいつでもいいからな。」

「はい!有難う御座います!」

そう言って、馬車に乗り込み、2台の馬車は去って行った。

「さて、帰る前に満腹亭で飯にしようか。臨時収入もあったことだし。」

「そうですね。」

「ふふっ、そうね。でも…」

レイナは少し残念そうな顔をしていた。

「なんだ、どうした?」

「今回、私の出番が無かったわ。」

と、言った。ラトリスとレイナは大声で笑った。そして、

「次があるさ。」

と、慰めた。そして3人で満腹亭へ向かうのだった。

最近、本を読むより書く方が楽しく感じています。読んでくださっている方々、有難う御座います。次回から新章です。宜しくお願い致します。

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