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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
ちょっとした仕事編
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王都へ行こう

新しい章です。宜しくお願いします。

ギルド対抗戦は無事にギルド“天の子猫“の勝利に終わり、1週間が経過していた。

「だから、メンバーは特に募集していないんですよ。」

「勝手に家まで来られても困るわ。」

「そんなこと言わないで、なっ、頼むよ。」

「このギルドなら強くなれる、そう聞いてやって来たんだ!」

先日の戦いから、知名度が飛躍的に上がった“天の子猫“には、連日人が押しかけていた。マリアとレイナは毎日飽きもせずにやってくる人達にウンザリしていた。

「せめて、ラトリスさんに会わせてくれ。」

「そうだ、あの人なら話が解るはずだ。」

「ラトリスさんを出してくれ!」

「いや、あの人は今不在で…」

「兎に角帰ってください!」

「俺に何か用か?」

ギャラリーが後ろを見ると、ラトリスが立っていた。

「人の家の前でたむろって、迷惑だ。とっとと帰ってくれ。」

「いや、ラトリスさん!俺をギルドに入れてくれ!」

「俺も強くなりたいんだ、頼む!」

「あの戦いを見て、一目惚れしました!付き合って下さい!」

「…さっさと帰れ、無理だ、断る!」

そうぶっきらぼうに答えて、家の中へ入ってしまった。マリアとレイナもそれに続き、家に入る。


「全く、ギルドに入れば強くなるなんて、勘違いもいいところだな。」

「そうですね。」

「血も滲む努力の結果なのにね。」

三人はリビングでお茶を飲む。

「でもラトリスさん、そろそろ仕事をした方が…」

「なんだ?したいのか?」

「それはそうよ。貴方に借金返済しなくちゃならないし、そろそろ運動もしたいもの。ねっ、マリア。」

「そうですよ。何もしないなんて、勿体ないじゃないですか。」

「って言うけどなぁ…さっきもギルド協会へ行ってきたけど、依頼はゼロ。フリークエストも良さそうなのはまるで無かったんだよな。」

ラトリスはあくびをした。

「だからといって、何もしないなんて…」

「毎日毎日朝練だけじゃ体が鈍るわ。」

そんなことを言っていると、窓を叩く音がした。三人が見てみると、真っ赤な小鳥が1羽、窓を叩いている。

「あら?この鳥…」

「珍しい色の鳥ね。」

ラトリスは窓に近付くと、窓を開けて、小鳥を手のひらにのせた。小鳥の足には小さな文が付いていた。それを外すと、小鳥はラトリスの肩に移動して毛繕いを始めた。ラトリスは小さな文を開けて中を読む。すると、

「丁度いい。仕事が入ったぞ。」

ニヤリと笑ってラトリスが言う。

「えっ、ラトリスさん?」

「文にはなんて?」

「今から王都へ向かうぞ。」

それだけ言って、ラトリスは準備を始める。二人もそれに習って準備をした。

玄関まで出るとラトリスは、

「今から王都向かうが、フライの魔法を使ってもいいし、走ってもいい。およそ30分程度で着くように。」

「えっと、話が見えないんですけど?」

「行けば解る。俺は王都の門前で待ってるからな。」

そう言って、フライの魔法を使い、飛んでいってしまった。

「ここから王都まで30分で…」

「行くしか無いわね…」

二人は走り出した。


30分後、王都の門まで二人はやって来た。ラトリスは確かに門前で待っていて、

「おや?以外と早かったな?」

と、言った。

「はぁ、はぁ。しっ、しんどいです!」

「まっ、全くもう。なんなのよ一体…」

とりあえず二人は息を整えることを優先した。

「そういえば、王都へ来たのは初めてです。」

「どんなところなのか、気にはなっていたのだけれど…」

「まあ、行けば解るさ。さあ、入ろうか?」

入ろうとして、門番に止められた。

「待て、身分を証明するものを提示して下さい。」

「…これでいいか?」

ラトリスは冒険者カードを提示した。

「冒険者カード…はい、確認しました。どうぞ。」

二人も提示して中へ入る。流石王都、立派な建物が軒を連ねていた。

「わぁ…」

「凄いわね…」

二人が感嘆な声を出す。

「約束の時間までまだ時間がある。買い物に行くぞ。」

そう言ってラトリスは歩き出す。二人もその後ろを付いていく。すると、いかにも高級そうな服屋の前に来た。中に入ると、

「いらっしゃいませ。おや、ラトリスさんではありませんか?」

「よう、久しぶり。元気そうだな。」

店員と親しげにラトリスは話す。

「本日はどのような服をお探しで?」

「俺じゃ無くて、後ろの二人の服を見立てて欲しいんだ。」

「畏まりました。」

そう言って店員は手を鳴らすと、奥から女性の店員が二人出て来た。それぞれがマリアとレイナに近付くと、試着室へと促し、採寸を始める。

「ちょっと、ラトリスさん!?」

「いいから、大人しく採寸されとけ。見立ては最高の店だからな。」

「お待ちになっている間、コーヒーは如何ですか?」

「有り難くもらうよ。」

そんなやり取りをラトリスはしていた。くすぐったいやら恥ずかしいやらでマリアとレイナは気が気では無かった。採寸が終わり、それから30分後、見事なドレスに身を包んだマリアとレイナが出て来た。

「ほぅ、よく似合ってるじゃないか。」

「当店最高峰のドレスで御座いますからね。お値段もそれなりに…」

「二着で幾らだ?」

「二着で千万ガルドです。」

「せっ、千万ガルド!?」

マリアが素っ頓狂な声をあげた。

「まあ、アクセサリーも混みだろう?」

「その通りで御座います。」

そう言うとラトリスはアクセスの魔法を使い、異空間から袋を取り出して、

「この中から頼む。」

そう言って袋を店員に渡す。店員は受け取り、奥へ下がった。

「ラトリスさん!?」

「なんだ?」

「私達もそれくらい持ってるんだから…」

「金は大事だ。それに、これは俺の個人的な用事で必要な事だからな。俺が出すのは当然なんだよ。気にするな。」

「…一体、何処に行くのかしら?」

レイナは少し頭を抱えた。

「おっと、俺も着替えないと。」

ラトリスはそう言うと、試着室に入り、5分ほどで出て来た。相変わらず真っ赤なロングコートは着ていたが、中はタキシード風の服を着ていた。

「お待たせ致しました。料金は確かに受け取りました。こちらはお返し致します。」

ラトリスは袋を受け取ると、異空間へ収納した。

「二人も、アクセスで自分の鎧とかを入れておけよ?」

そう言われて、二人も異空間へ服等を収納した。

「これで準備よし。さあ、行こうか。」

三人は連れ立って王都を歩く。それは、何処かの王族と言われても不思議では無い光景だった。

最近肩こりは無くなったんですが、それとは別の痛みに襲われています。ヨガでも始めようかな?

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