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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
ギルド対決編
22/138

ラトリスの怒り、そして決着!

ブチ切れ回です!

「てめえ等、いい加減にしろ!!!」

ラトリスの大声が、コロッセオ内に響き渡った。振動で、コロッセオが揺れたような錯覚まで引き起こす。

「言ったはずだ、呼び捨てにするなって。そんな簡単なことさえ解らん馬鹿なら、生きていてもしょうがねぇな、このクズ野郎!」

ラトリスは本気でピーターを睨んだ。

「なっ、なんだってんだ、こいつ。」

ピーターは気圧されて後退った。

「ラトリスさん…」

「あちゃ、あれは本気よ。本気で怒ってるわ。」

マリアとレイナは落ち着いているように見えて、初めて見るラトリスの姿に内心驚いていた。

「君達、プロテクトの魔法は使えるかい?」

ドルトムントかマリアとレイナに聞いた。

「使えます。」

「一応、準備だけしておいてくれ。彼がここまで怒った姿は久しぶりに見た。最悪の場合、このコロッセオは崩壊するぞ。」

「えっ…!」

「ひっ、久しぶりって、どれくらい?」

「2年ぶりですね。ドラゴン強襲事件以来ですから。」

ミクが付け足した。

「多人数にかけられるなら、彼の標的であるディランとピーター以外にかけておいて欲しい。ラトリスだって、なんの罪もない人は巻き込みたくないだろう。」

「わっ、解りました。」

「結構魔力を使うわね。」

「わっ、私もお手伝いします!」

マリア、レイナ、ミクの三人がプロテクトの魔法をかけていく。その場にいるほぼ全員にプロテクトがかけられるまで、約四十秒ほどかかった。それを確認したのか、ラトリスが動き出した。1歩1歩前へ全身し、距離を詰めていく。

「ちっ、近付くんじゃねぇ!」

そう言いながらピーターはファイアボールの魔法を放った。その数6発。しかし、魔法の球はラトリスに当たる前に霧散してしまう。

「どうした?真面目にやれよ。」

ラトリスは不敵に笑って言った。

「そんな魔法が効かないのは解っているだろ?死にたいのか?」

ラトリスがそう言うと、ピーターは剣を抜いた。

「くそっ、殺してやる!」

中段から横凪に振った剣は、ラトリスが指二本で止めてしまった。そして二本の指をスナップし、へし折ってしまった。

「なっ…なんだと!?」

ピーターは驚いたが、次の瞬間、ラトリスは足払いをかけて転ばせた。

「ぐっ…!」

息を吐き、倒れ込むピーター。次の瞬間、ラトリスはピーターの腹部を踏んづけた。

「ぐぇ…!」

「おい、負けを認めるか?」

ラトリスはピーターに聞いた。

「けっ、誰が…認めるかよ!?」

「そうか…そう来なくっちゃな!」

不敵に笑ってラトリスは、異空間から剣を取り出し、ピーターの胸部に突き刺した!

「ぎゃああああ!」

「うるせぇよ、クズ野郎。ヒール!」

胸部に剣を刺したまま、ラトリスがヒールを唱え、傷を塞ぐ。

「お楽しみはこれからだ。おい、どうすんだ?」

「ぐふぅ、わっ、わかった!俺の負…」

ピーターが言い切る前にラトリスは手首をひねって傷を再び開く。

「ぎゃああああ!」

「は?聞こえねぇよ。もっとハッキリ言えよ。」

「ぐっ、がはっ!お、俺の…」

今度は剣を更に深く突き刺した。

「だから聞こえねえって、言ってんだろう?あぁ?舐めてんのか、クズ野郎。」

傷を負ってもヒールで癒やし、また剣で刺したり抉ったり、そんなやり取りが数十回続いた後、ピーターはとうとう…

「こっ、殺して下さい!」

そう言いきった。

「なんだ、死にたかったのか?生きたいんじゃなかったのか?」

「こんな苦痛をっ、受け続けるっ、位…なら、しっ、死んだ方が、まっ、マシです!おっ、お願い…します!こっ、殺して下さい!」

か細い声でピーターが言った。次の瞬間、ラトリスは剣を引き抜き、ヒールをかけた。

「てめえなんざ、殺す価値もない。ただし、次にまた俺達の前に姿を現したら…」

ピーターの顔の横の地面に剣を刺し、

「もっとえげつないから覚えとけ!」

そう吐き捨てた。ピーターは気絶間際に失禁し、完全に沈黙した。

「えっ、えーと、しょ、勝負あり!ギ、ギルド“天の子猫“の勝利です!」

司会のエイミーが高らかに言った。どうやら決着が付いたようだ。剣を地面から抜き、異空間へ収納し、ラトリスは右手を高く挙げた。

「やったー!」

「すげえよ、マジで!」

「スカッとしたぜ!」

観客席の連中が口々に叫ぶ。

「ふっ、ふざけるな!」

そう叫んだのはディランだった。

「わっ、私の計画が!」

「ディラン、君の負けだ…」

ドルトムントが言った。

「私を幽閉し、ギルド協会および所属ギルドを我が物としようとした罪、万死に値する。ギルド協会本部からの通達を大人しく待て。」

その言葉にディランが肩を落とした。

「ぐっ、ぐぅ…」

「それでは!勝利したギルド“天の子猫“には、1億ガルドが支払われます。どうぞ、お受け取りください!」

ラトリスに1億ガルドが渡されそうになるが、ラトリスは首を振り、

「7000万ガルドでいい。残りの3000万ガルドは、ドルトムントの治療費とか、ギルド協会会長復活のパーティー費用に充ててくれ。」

と、言った。7000万ガルド受け取り、フライの魔法を使い、マリアとレイナの元へと行く。

「二人とも、よくやってくれたな。ほら、賞金だ。」

そう言って二人にお金を渡す。

「でもラトリスさん…」

「貴方の分は…」

「要らない。」

あっけらかんとラトリスは言った。そして、ドルトムントの方に向き直り、

「久しぶりだな、元気そうで何よりだ。」

と言った。

「フッ、皮肉か?お前の仲間に助けられたんだ。この借りは必ず返すぞ、ラトリス。」

ラトリスは笑って、

「あぁ、期待しないで待ってるよ。」

と言った。

「さて、帰るか。満腹亭で飯でも食べて。」

何時ものラトリスがそこにはいた。

ラトリス、マリアとレイナの三人は家路についた。

今回でギルド対決編は終わりです。次回からは別の話になります。

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