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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
ギルド対決編
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ギルド対決 後編

短くてすみません、思ったことを話にまとめてるだけなんです。

再び話はラトリス側へと戻る。42名を一撃で倒した後、ラトリスは殆ど何もしていなかった。ただただ敵が詠唱している魔法を退け続けていた。

「…爆炎の咆哮、受けよ、ファイア…」

「クリア。」

詠唱しては掻き消し、直接攻撃に対しては軽くあしらう、そんなことをかれこれ30分近く行っていた。

「おい、マジかよ。あのラトリスって奴…」

「最初の一撃で殆どを倒したあげく、残りの八人がまるで子供扱いだ。」

「いや、“天狼星“の上位三人はまるで動いてないから、五人だろう?」

「それでもすげぇぞ、あいつらだってAクラス冒険者五人だろう?」

「素敵…」

観客席からもラトリスの強さが伝わって、最初は“天狼星“を支持していた連中も、華麗に敵の攻撃を捌くラトリスの行動に目を奪われていた。

「…おい、もう終わりなのか?」

「ぜぇ、ぜぇ。な、なんだってんだ、どうなってんだよ、全く!?」

「たった一人に、ここまでコケにされるなんてよ!?聞いてねぇぞ、相手は弱小ギルドだって話だろう!?」

「攻撃が…まるで通用しない…化け物が!」

「魔法も駄目。詠唱するたびに掻き消されるわ。」

「てめえ、一体何者だ!」

「だから、ギルド“天の子猫“のただの構成員だって。何回も聞くなよ。」

そんなやり取りをしていた。


観客席のVIP席では、ディランが一人、冷や汗をかいていた。

(まっ、まさか…これほどの男がいるとは、想像していませんでした!)

一人脳内で愚痴る。

(このままでは、ピーター達が負けてしまう。それでは私の計画がパーになってしまう。何か…何か手はないのでしょうか!)

必死に考えるが何も浮かばない。しかし、

(しかし、まだ望みはありますよ。まだSクラス冒険者3名が戦わずに後ろで控えていますからね。彼らなら…彼らなら時間をかければあんな男…!)

そんなことを考えていた。


「ちっ、時間稼ぎも面倒くさくなってきたな。」

ラトリスは誰にも聞こえないていどの声を出し愚痴をこぼした。

「面倒だ、こいつら五人には退場願うか。食らえ、ライトニングジャベリン!」

雷の上級魔法を同時に5発生み出し、5人を一気に殲滅した。

「ふん、上級魔法を使うのも面倒だな。次からは中級魔法にするか。」

そんなことをラトリスは口走った。そしてとうとうSクラス冒険者3名が前に出る。

「ラトリス、てめえの動きは大体わかった。」

「“さん“を付けろって、前にも言ったよな。俺は、気に入った奴以外に呼び捨てにされるのが、たまらなく嫌なんだよ。今すぐ訂正するなら、半殺しで止めてやるぞ?」

「けっ、誰が訂正するか!てめえの負けだ。降参するなら今のうちだぜ?」

「ほう、3人で俺に勝てると?舐められたもんだ。じゃあ、前の47人はただのオマケか?」

「確かにてめえは強い。だが、致命的な弱点がある。」

「…弱点?」

「あいつらはコンビネーションが全く出来てねえ。だが俺たちは…」

ピーターを除いた男女が前に出る。

「コンビネーションが得意なんだよ!」

そう言って女の方が、

「ファイアボール!」

初級魔法ファイアボールでラトリスを狙う。だが、ラトリスは片手で弾き返した。と、その隙を逃さず男の方が距離を詰め、ラトリスに斬りかかった。

「っ!」

間一髪のところでラトリスが躱したように見えた。それを見て、

「やはり、同時攻撃には対処仕切れないようだな。」

不敵な笑みを男がした。

「へぇ、やるじゃないか。ファイアボールも、少し手が痺れたよ。」

「フッ、驚くのはそこじゃないんじゃない?」

「?」

「私は、無詠唱で魔法を使うことが出来るのよ、貴方のようにね。」

女が勝ち誇って言った。

「今から貴方に見せてあげる。Sクラス冒険者が無詠唱魔法を使えることがどういうことなのかをね。」

「…そうか、じゃあ、サイレント!」

いきなりラトリスは無属性魔法サイレントを使った。

「なっ、なによ、何も起こらないじゃない!」

「へっ、ハッタリかよ…」

「まあ、気にすんなよ。」

「ふん、まあいいわ。次で終わりにしてあげる!フレイムウォール!」

相手を炎で包み込む火の中級魔法が発動…されなかった。

「おい、何をやってんだ、早く奴に魔法を…」

「五月蠅いわね、サンダーボルト!」

今度は雷の初級魔法を使う…が、発動しなかった。それを見て、ラトリスは笑っていた。

「おい、どうなってんだよ!?まさか、魔力切れか!?」

「そんなはずない…魔力切れなら私は立っていられない…まさか…!」

「そう、そのまさかさ。」

ラトリスは言った。

「無属性魔法サイレントを使った。お前達はもう魔法が使えない。」

「ど、どういうことだ?」

「まほうの使用をさせなくする魔法だよ。効果は短いが、この戦いが終わる頃までは充分持つ。ある意味、切り札的魔法だな。ま、お前達には一生かかっても真似出来ない魔法だがな。」

二人は慌てていた。

「くそ、こうなったら…」

「肉弾戦しかないわね!」

二人が同時に襲いかかる、が、ラトリスはゆっくりと避けて二人の首筋に手刀を叩き込み、沈黙させた。

「ふう、あと一人…」

ラトリスが後ろを振り返る、それと同時にライトニングジャベリンが飛んできて、らとりすの体に直撃した。

「ぐわぁ!」

直撃受けたラトリスは倒れ込んだ。

「クックック、隙だらけだ。隙をさらすからこういうことになるんだ!」

ピーターが大きな声で笑う。と、その時…

「ラトリスさん!」

マリア、レイナ、ミクそしてドルトムントの4人がコロッセオに到着した。

「ラトリスさん!」

「そっ、そんな…」

「クックック、遅かったなぁ。上級魔法をまともに食らったんだ。もう死んでるぜ。」

ピーターは勝ち誇っていった。と、そこで…

「はあ?何言ってんだ?」

ピーターの後ろから声がした。ピーターをはじめとして、観客全員がそちらを見ると、ラトリスが立っていた。

「なっ!」

「「ラトリスさん!」」

マリアとレイナは安堵して声をあげた。

「よう、二人とも。無事だったんだな。」

「どういうことだ!?確かに命中したはず…」

「あぁ、だが俺の分身にな。」

もう一度ピーターがラトリスが立っていた場所を見ると、なにも無かった。

「奥の手も見せてこの程度とはな。敗北を認めることを進めるが?」

「だっ、黙れ!」

ピーターがラトリスに殴りかかるが、ラトリスは軽くそれを躱す。

と、そこへ…

「何をしているんです、ピーター!早くその男を倒すのです!」

観客席からディランが叫んだ。

「…ディラン!」

ドルトムントが叫んだ。

「まっ、まさかドルトムント!?どうやって外に!?」

ドルトムントの存在に気付き、ディランの顔が引き攣った。

「貴様、よくも私を!しかも、ギルド協会の会長を奪ったばかりかこんな事を…」

「うっ、五月蠅い!今は私が会長だ!その男を捕らえろ!」

ディランがその場にいる全員に言ったようだったが、誰一人動くものはいなかった。

「おい、ドルトムントさんだぜ!」

「生きてたんだ…」

「やっぱ簡単にくたばる人じゃねえよなぁ!」

そんな声が聞こえてきた。

「ディラン、貴様の味方などどこにもいない。身命に縛につけ!」

「五月蠅い!ピ、ピーター!らとりすを殺しなさい!」

「けっ、元よりそのつもりだ。試合なんてまっぴらだ。殺してやるぞ、ラトリス!」

「てめえ等、いい加減にしろ!!!」

ラトリスの堪忍袋がついにキレた!

主人公のブチ切れを次回書きます。お楽しみに!

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