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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
ギルド対決編
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ギルド対決 中編

戦闘シーンは難しい…

時間は少し遡って、マリアとレイナがラトリスと別れた少し後、二人はギルド協会の前まで来ていた。

「着いたね。」

「時間がないわ、早く行きましょう。」

扉を開けて中へ入っていく。街中コロッセオでの戦いに浮かれていたので、ギルド協会も人があまり居なかった。二人は真っ直ぐ受付へと向かう。珍しく、ミクが受付に立っていた。

「ミクさん!」

マリアが声をかけると、ミクは驚いた顔をした。

「二人とも、どうしたの!?もうすぐギルド対抗戦のはずじゃ…」

「ラトリスさんに言われて、こっちに来ました。ミクさん、地下にはどうやったらいけるんですか?」

「え…地下には大罪を犯した人達が収容されているけど…二人には関係ない場所のはずよね?」

「そこにドルトムントって人がいるらしいって、ラトリスさんが。その人を助けに来たんです。」

「ドルトムントさんが!?確かに前会長は急にいなくなって、今のディランさんが会長になったけど…本当に地下にいるのかしら?」

「調べるのは私達がやるわ。地下への入り方を教えて欲しいのよ。」

「…解ったわ。でも、私も行く。」

「えっ…でも、一緒に来たらミクさんも…」

「えぇ、共犯として罰せられるわ。最悪クビね。でも、ラトリスさんがドルトムントさんが地下にいるって言ったのなら、ほぼ確実にいるわ。多分ガルフさんからの情報でしょう?」

「そこまで解るんですね…」

「ふふふ、付き合いは長いからね。さあ、行きましょう!」

其所まで話をしていると、後ろから声がした。

「おい、てめえ等。地下へ行くつもりか?」

6人の男達が三人を取り囲んでいた。

「…ミクさん、この人達は?」

「ギルド“天狼星“の構成員よ。下っ端とはいえ、Bクラス冒険者よ。危険だわ。」

「そうかしら?大したこと無さそうだけど?」

「何をブツブツ言ってやがるんだ!リーダーの言うとおりだ。このときを狙って、地下へ行く奴がいたら殺しても構わないって言われてるからな。悪いが三人とも死んでもらうぜ!」

「おい、殺す前に楽しもうぜ。」

「三人とも上玉じゃねぇか。」

そこまで聞いて、マリアとレイナがキレた。

「やるわよ、レイナ!」

「えぇ、マリア!」

「サンダーボルト!」

「ウィンドスラスト!」

二人が同時に魔法を放った。同時に放たれた二つの魔法は混ざり合い、一気に爆発を引き起こし、6人の男達を吹き飛ばした。

「魔法って不思議よね。本来一体一体倒さなきゃならない場面でも…」

「えぇ、二つの魔法を混ぜ合わせるだけで広範囲でも効果が及ぶようになるんだもんね。」

少しだけ建物にも被害が及んだが、それも微々たるものだった。ラトリスから特訓を受けた二人ならではの作戦だった。

「二人とも、Bクラス冒険者をものともしないなんて…一体何をしたの?」

「二つの相反する魔法、火と水、雷と風、光と闇の魔法を同時に発動させると、お互いが反発しあって魔法が暴発するんです。」

「予め、私達とミクさんにはプロテクトの魔法をかけておいて、その性質を利用して吹き飛ばした、って事なんです。」

「…普通の人はそんなこと知らないし、やろうとも思わないわ。ラトリスさんは一体何処まで凄いのかしら?」

「私達も知りません。」

「ただ、味方で良かったと心底思うわ。それよりミクさん、早く案内して下さい。」

「そうね、こっちよ。」

マリアとレイナはミクに案内を受け、地下へ進んだ。


地下に行く階段を降りて三人は進んで行く。すると、ミクが言った。

「私達ギルド協会の職員でも噂話程度に聞いた場所があるの。恐らくドルトムントさんはそこにいるわ。」

牢屋をどんどん進んでいくと、突き当たりまで来た。と、壁に小さなスイッチがあった。

「恐らくこのボタンを押した先ね。二人とも、準備は良い?」

「大丈夫です。」

「準備は出来ているわ。」

ミクが笑顔を見せ、ボタンを押した。すると壁が動き、人が一人通れるだけの穴が開いた。

「私が前を行きます。二人は後ろから付いてきて。」

マリアが言い、レイナとミクは頷いた。用心深く進んでいくと、広い部屋に出た。そこには二人の男達が立っていた。

「おや?もう交代の時間か?思いの外今回は時間がたつのが早かったな。」

「そうだなって、てめえ等何者だ?見たことねぇぞ、新人か?」

不思議そうに二人が見てくるが、マリアとレイナは答えない。寧ろその後ろの牢屋を見ていた。牢屋の中には、鎖に繋がれた男が一人いた。

「ミクさん、あれがドルトムントさんですか?」

「えっ、えーと、はい。鎖に繋げられているのは間違いなくドルトムントさんです!」

「なんだお前等、このおっさんに用事か?」

「もう4ヶ月もこのままだ、殆ど喋らねぇし微動だにしねぇ。もう死んでんのかもなぁ。」

ぎゃははと男達が笑う。

「なんてことを…」

「最低…」

マリアとレイナは口々に言った。

「丁度良い、お前等と遊んでやろう。」

「暇だったしなぁ。」

「ふざけないで!」

マリアは叫ぶと同時にサンダーボルトの魔法を放った。電撃が二人の男達に強襲する。が、男達は軽く避けた。

「おいおい。」

「俺達を上にいた奴らと一緒にするなよ。こう見えてもAクラス冒険者だぜ。」

「…ヤバいです、二人とも。」

ミクは怖じ気づいていた。しかし、マリアもレイナも気にしていない。

「仕方ない…」

「ラトリスさん直伝の戦い方を見せてあげる。」

そう言って、それぞれ一人ずつ相手をする。マリアは左に、レイナは右へと移動し、相手の動きを見る。案の定、一人ずつ相手を分断した。マリアの相手は槍を構え、一突きに心臓を狙って来た。難なく交わし、矛先を捌いて胴を剣で一閃する。

「ぐふぅ!」

男は小さな悲鳴をあげて倒れた。

レイナの方は剣で上段から袈裟切りに襲いかかって来た。咄嗟に後ろへ下がり、腹部へと持っていた杖を出す。男の鳩尾に当たり、こちらは悲鳴もあげずに倒れ込んだ。

「ふぅ…」

「終わったわね。」

「なっ、なんて強さなの…」

ミクはただただ驚いていた。それもそのはず、2ヶ月ちょっと前にあったばかりの新人冒険者二人が、Aクラス冒険者を意図も簡単に倒してしまったのだから。

「ミクさん?」

「どうかしたの?」

驚いて声も出ないミクだった。

「それで、どうしたらいいのかしら?とりあえず、ドルトムントさんを助け出したいのだけど?」

レイナの一言でミクは我に帰って、

「そっ、そうでした!ドルトムントさん、聞こえますか!?」

牢屋の前まで移動して声をかけた。

「…ん、なんだ、私に何のようだ。」

ドルトムントはとりあえず生きていたらしい。

「よかった!ドルトムントさん、私です、ミクです。」

「ミク…こんなところになぜ君がいる…」

「なぜって、助けに来たんですよ。」

「…必要ない。」

力無くドルトムントは言った。

「もう疲れたんだ…このまま死なせてくれ。あれから何ヵ月過ぎたか解らんが、精神的にも肉体的にも疲れたんだ。」

「何を弱気な!?早くここから出て、会長として戻ってきてください!みんなあなたの事を心配して…」

「だったらなぜ今頃なんだ…もっと早く探し出せたはずだろう?」

「そっ、それは…」

「もういいんだ。いいんだよ、ミク。俺はもう生きていたくない…」

「そんなことを言わないでください!」

マリアの叫びが響いた。

「そうよ。何のために私達が来たと思っているの?あなたを連れ出さなきゃ、私達がラトリスさんに怒られるのよ!絶対に連れて行くわ!」

そこまで聞いて、ドルトムントは少しだけ動揺した。

「…ラトリスが?君達は一体…」

「ギルド“天の子猫“のギルド長と副ギルド長です!」

「…“天の子猫“…か。ラトリスもそこに入ったのか?」

「はい!」

「ラトリスさんは…そう。私達の師匠です!」

ドルトムントは少しだけ笑顔を見せた。

「…そうか。彼がな…ならば、私もその心意気に答えねばな!」

「ド、ドルトムントさん!」

「すまない、ここから出して貰えるか?」

「もちろんです!」

「少し離れて!」

レイナの一言でマリアとミクは距離を置き、レイナがウィンドスラストで牢屋と、ドルトムントを繋いでいた鎖を切った。

「ありがとう。…もう少し生きる気力が湧いたよ。」

「傷だらけですね、ヒール!」

光の初級魔法ヒールがドルトムントの体を包み込み、傷を癒やした。

「…これもラトリスが?」

「はい!無詠唱魔法を教えて貰いました!」

「なるほど、君達がマリクとレイカの…彼が気にかけるはずだ。」

「兄さん達を知っているんですか!?」

「それはそうだろう。ギルド協会会長は伊達じゃない。まあ、あまり強く無かったがね。今の君達を見てると、相当な特訓をしたようだね。」

「解ります?」

「ある意味地獄だったわ。」

「フッ、そう言ってやるなよ。彼にも事情があるんだよ、多分ね。」

「そうかなぁ?」

「そんな風には見えないけど…」

ドルトムントは再び笑った。

「さあ、ラトリスの元へ行こう。」

四人はコロッセオに向かった。

戦闘シーンは殆ど省いているような描写ですが、これが限界です。ご了承お願い致します。

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