1回戦
ラトリスの初戦の相手は、アルテミスとその眷属だった。
「それでは戦いを始めますが、ルールはどうしましょうか。」
いきなり審判がルールを聞いてきた。
「普通、ルールは決まっているんじゃ無いのか?」
ラトリスが聞くと、
「どちらにも公平になるように、その都度ルールは変わるのですよ。」
観客席にいたアテナがそう言った。
「純粋な戦いでも良いし、お遊びの一種でも良いのよ。」
それにロキが付け足した。
「あら、ロキ。初めて参加するのに詳しいですわね。」
「…」
アルテミスの言葉にロキは応えなかった。
「ふふ、まあ良いわ。それで、あなたはどんな勝負を望むの?」
「俺に聞いているのか?」
「そちらは1人、こちらは5人、そちらの不利は明確ですからね。せめて勝負の方法は決めさせてあげるわ。」
「じゃあ戦いで。」
「即決ですわね。少しは好感を持てますわよ。」
アルテミスと眷属は、1人を残して後ろに下がる。ロキも後ろに下がるが、
「ラトリス、相手をよく見るのよ。」
と、助言を残した。
「それでは良き戦いを!始め!」
審判が高らかに宣言した。すると、相手は突進してきた。
「うおおぉぉぉ!」
ラトリスはギリギリで横に避けた。しかし相手は即座に方向転換をし、更に襲い掛かってくる。それを悉く躱し、ラトリスは思った。
(遅いな。)
「どうした、避けてばかりでは勝てんぞ!」
「それもそうだな。」
ラトリスは相手の動きを読んで、足払いを仕掛けた。見事に決まって相手は転けた。
「ぐっ!」
転んで起き上がろうとする相手に、馬乗りになり、鳩尾に拳を叩き込むと、相手は動かなくなった。
「これでいいのか?」
「勝負ありです!」
観客席からドッと歓声が沸き上がる。
「次の選手、前へ!」
次の相手は小柄な天使だった。
「それでは始め!」
戦いが始まると、相手は魔法の詠唱に入った。
「遅いな、クリア!」
クリアの魔法を受けて、相手の魔法が中断されてしまった。
「なっ!?」
「これで、終わりだ!」
と、ラトリスは叫んで相手に接近し、顔に蹴りをいれた。
「うぐ!」
変な声を上げて、相手は倒れ込んだ。
「勝負ありです!」
審判がそう告げた。
「次の選手…」
「面倒だ、残り3人まとめてかかってこい。」
「何だと!」
「ふざけやがって!」
開始の合図も待たずに3人が襲い掛かってくるが、ラトリスは右手を前に出して、
「ファイアーボール!」
と、叫んだ。3つの炎の弾が、3人に直撃し、3人とも同時に倒れた。
「そっ、そこまで!ロキチームの勝利です!」
無事に1回戦を勝ち抜いたラトリスだった。
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