眷属対決
ラトリスが地獄を攻略して6年後、その間もロキと特訓を繰り返していた。
「ふっ、はっ!」
「ふふふ、まだ遅いわ!」
ロキの一撃で、ラトリスは吹き飛ばされた。
「ふう、相変わらず容赦ないな。」
起き上がって、ラトリスはロキを見る。
「あなた、本気を出してないでしょう?」
「今の全力だ。じゃなきゃ、リミットで動くことすらままならない。」
「確かにそうね。食事にしましょうか。」
「あぁ。」
そう言って、二人で家に入っていく。すると、1羽の鳥が飛んできた。
「ロキ、あれは?」
「あら?珍しいわね、あれはアテナ様のところのだわ。」
ロキは手を前に出した。鳥はロキの手に止まり、
「ロキ様、お手紙です。」
と、話した。
「しゃべれるのか!?」
「そりゃね。フェニックスも話していたでしょう?」
そう言って、ロキは鳥の足に取り付けられていた手紙を外して中を読む。少し顔が引き攣ったのを、ラトリスは見逃さなかった。
「ロキ、何かあったのか?」
「…そう。ついにこのときが…」
そう言うと、ロキはラトリスに手紙を渡す。中を読むと、
「眷属対決の時期が来ました?」
そう書かれていた。
「眷属を持つ神同士の戦いのことよ。」
「これが来たってことは、俺も出れるのか?」
「えぇ。でも、危険だわ。」
「?」
「神は出場できないから、あなた1人の戦いになるのよ?」
「それがどうした?」
「眷属が数百人居る神もいるのよ?そんなところと当たったら…」
「大丈夫だろう?だって、出場は五人までって書いてあるし。」
「それでもよ。」
「俺は負けるつもりはないし、勝つための努力もしてきた。頼む、ロキ。やらせてくれ。」
「…」
ロキは少し考えて、
「…解ったわ。でも、無茶はしないでね。」
「あぁ。」
「出場でよろしいですね?では、日時は追ってお知らせ致します。」
「えぇ。」
そうして、戦いに向けて更なる特訓を重ねるのだった。
読んでくださっている方々、有難う御座います。




