料理の時
短めです。宜しく!
ラトリスが作ったキャンプはとても素晴らしいものだった。さすがにベッドは無いが、しっかりと踏みならされた地面に草をひき、その上に寝袋が三つ敷いてあった。その寝袋の中央には、焚き火があった。その焚き火の周りで三人は話をしていた。
「まあ、クエストもあと一つだし、残り二日間も頑張ろうか。」
料理の準備をしながらラトリスが言った。
「あのぅ、ラトリスさん…」
「ん?どうした?」
少し遠慮しがちにマリアがいった。
「私達も料理をしたいんですけど?」
「そうよね。私達も少しは料理の腕に覚えがある方なのよ。たまには料理がしたいわね。」
レイナがウンウンと頷いていた。
「そうかぁ。じゃあ頼むか。」
と、ラトリスは料理から手を離した。
「材料は出してあるけど、調味料関係で足りないものがあったら言ってくれ。俺は二人の料理中に、魚でも釣ってくるよ。」
そう行って、直ぐ横にある川へと向かっていった。
「さて、作りますか。」
「うんと美味しいものを作りましょうね。」
そう言って、二人は料理を仕始めた。
15分後、マリアはラトリスを呼びに川までやってきた。が、そこにはラトリスの姿がない。
「あれ?ラトリスさん?」
暫く探したが、ラトリスはどこにも居なかった。
仕方なくキャンプまで戻り、レイナに聞いてみる。
「ラトリスさん、戻ってきていない?」
「え…もどってきてないけど?どうしたのかしら…」
今度は二人で探しに行くが、何処にもラトリスの姿は無かった。
「おかしいわね、何処へ行ったのかしら?」
と、レイナが言うと、
「俺がどうかしたか?」
と、上から声がした。上を見ると、ラトリスは木の上にいた。
「へ…?ラトリスさん!?」
「なっ、なんでそんなところに!?」
「いや、大好物のコケモモの木があったから取ってたんだ。それでどうした?」
「しょっ、食事の用意が出来たから呼びに来たんですよ。」
「そうそう。川で魚を釣るって言ってたじゃない。」
「ちゃんと魚は釣ったぞ。」
そう言いながら下へ降りてきた。
「戻って飯にしよう。久々に他人の手料理で、少し楽しみなんだ。」
「昨日満腹亭で散々食べたでしょう?」
「マスター達は別だ。食い慣れてるからな。」
ラトリスはウキウキしながらキャンプへと歩く。その後ろを呆れ顔をしながら二人は付いていく。
その日の晩ご飯は焼き魚、マリアが作った野菜たっぷりのスープにレイナ特製のドレッシングがかかったサラダと、コケモモの実だった。
「さてと、いただきます!」
「「いただきます!」」
三人は料理を味わって食べた。
「二人とも、料理旨いじゃないか。これなら、店を出しても良いんじゃないか?」
「「…」」
「ん?どうした?」
「そこは良いお嫁さんになれるって言うところですよ。」
「マリア、それは言わないでおきましょう。」
「?」
そうして夜は更けていった。
色んな角度から書くのが難しい!