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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
決別編
112/138

ラトリスの行動

話は二日前に遡る。ラトリスが1人で城を出た直後、

「そうか、もう何も気にしなくて良いんだったな…」

そう言ってラトリスは右手に意識を集中させる。すると、右手が輝きだし、その手を前にかざすと、巨大な狼が出現した。

「ラトリス様、お久しぶりです。」

「6年、いや7年ぶりか。異界からお前を呼び出したのは。」

「はい。このフェンリル、いつ呼び出されても良いように準備はしておりました。」

「早速頼みがある。俺を乗せて、フィリア王国へ向かって欲しい。」

「ラトリス様が長年おられた場所ですね。どうぞ、お乗り下さい。」

フェンリルは姿勢を下げて、ラトリスが乗りやすいようにする。フェンリルに跨がると、物凄いスピードで走り出した。

「やはり早いな。何処まででも行けそうだ。」

「お褒めにあずかり光栄です。」

途中で遭遇した人には目もくれず、街道をひたすらに走った。直ぐにフィリア王国直前まで到着すると、

「フェンリル、止まれ。」

ラトリスの言葉に素直に従い、フェンリルが停止する。

「余り目だたない様にしたいからな、ここまでで良い。」

「畏まりました。また何かあれば、申しつけて下さい。」

「あぁ。後、俺の名はもうロキシスだ。」

「…なるほど。解りました、ロキシス様。他の者達にも周知させておきます。」

「頼んだぞ。」

優しくフェンリルを撫でて、異界へと戻し、フィリア王国へと向かう。直ぐに謁見の間に通されると、ラトリスは国王達に言った。

「どういうつもりだ。」

「ラトリス殿!?早い帰りだな。ララは?」

「そんなことを聞きに来ると思うか?あの書状の事だ。」

「我々は…」

「俺を政治に利用出来るとでも考えたか?」

「違う!ラトリス殿、それは…」

「言い訳無用。俺を甘く見ていたお前達が悪い。それだけを伝えに来た。」

ラトリスは踵を返して謁見の間を出た。出た時、入り口にミーシャが立っていた。

「ラトリス様?」

「ミーシャ、この城から、いやこの街から出ろ。今からこの国を滅ぼす。」

「ラトリス様!?」

「いいな、忠告はしたぞ。」

そう言って、ラトリスは城から離れた。そして街を見下ろせる高台に上がり、

「避難勧告はあの程度で良いか。まあ、信じる方が無理か…」

殆ど避難は出来ていないようだったが、ラトリスは詠唱を始めた。

「この魔法、未だに詠唱をしなきゃならんのが欠点だな。だがまあいい。」

ラトリスは両手をフィリア王国へと向けて、

「終わりだ、メテオ!」

突然空に巨大な岩石が生み出され、城へと落下していき、爆音が響き渡った。王国だった場所は、巨大なクレーターが出来た。

「…ふん、まあこんなものか。」

こうしてフィリア王国は完全に崩壊した。


約30後、ラトリスは今度はフィリンにいた。そしてギルド協会へと向かい、ミクを呼び出した。

「ミクさん、俺は冒険者を辞める。」

「えっ!?な、何を言ってるんですか!?」

「冒険者登録の抹消を頼みたいんだ。」

「理由は何なんですか?」

「この大陸に用が無くなった。」

「それは理由にならないな。」

ドルトムントが現れた。

「もっと明確な理由が無くては、冒険者登録の抹消は出来ないことになっている。どうしたと言うのだ、ラトリス。」

「…否応なしに辞めたいだけだ。それ以上はなにも無い。邪魔立てするなら…」

ラトリスは両手に意識を集中させ、

「ギルド協会なんざいらない!」

いきなり雷の中級魔法スパークと風の中級魔法ストームを炸裂させた。相反しあう魔法が爆発を起こし、呆気なく建物は崩壊してしまった。瓦礫の中からドルトムントとミクが姿を現す。

「らっ、ラトリス!?」

「ラトリスさん!?」

「最早、この大陸の事などどうでも良い…」

そう言って去って行ってしまった。


そして屋敷に着くと、3階へと上がり、荷物の整理をする。

「まあ、こんなもんか。」

殆どがラトリスにとってガラクタに過ぎないと考えて、殆どの物を部屋に詰め込んだ。

(ラトリス、これで良かったのですか?)

今まで喋らなかったカグラが口を開いた。

(…これでいい。俺は利用されるのが大嫌いだし、大切な人に会うには身分や経歴なんか邪魔なだけだ。)

(そうですか…)

(嫌になったか?)

(いいえ、私はあなたに付き従います。)

(…有難う。それから、これからは俺のことをロキシスと呼べ。)

(ロキシス?)

(あぁ、俺の本当の名前だ。)

そこまでカグラと話してラトリスは、

「我が元へ集え、七聖武器よ!」

と、唱えた。次の瞬間、光り輝く七聖武器がラトリスの前に召喚された。

「ラトリス殿、どうされた?」

「俺の名前はロキシスだ。俺は今から旅に出る。もうこの大陸には戻るつもりは無い。」

「なんと!誠ですか。」

「ついてはお前達はどうする?このままこの大陸に残るか、それとも天界にいくか?」

「ついていくという選択は無いのですか?」

「…俺にはカグラがあればいい。」

「…解りました、天界に送っていただけますか?」

「他に意見は?」

「私達の持ち主であるロキシス殿の命令とあらば。何時でも再会できる様にしておきます。」

「…解った、アテナ様の元へお前達を送る。2度とこの世界に来ることは無いかもしれないがな。」

そう言うと、空間をこじ開けて、中へ七聖武器を入れていった。

「ロキシス殿…」

「カリバーン、どうした?最早鞘は外してやっただろう?流暢に喋ることも許可してやるぞ?」

「最後にレン殿と話がしたかった。」

「…悪いが、それは無理だ。」

「…解りました。」

カリバーンは寂しそうにしていたが、ラトリスの言うことに従うことにする。

「さて、後は…」

そう言って、リビングに降りて、手紙を置いた。

「これで全て終わりだ…」

屋敷を後にして、ラトリスは東、ライド王国の方へと向かった。

読んでくださっている方々、有難う御座います。

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