カグラとの会話
マリア達はその後、ラトリスを探していた。城下町で、ラトリスの行きそうな所をくまなく探した。道行く人に聞いても、ラトリスは見ていないと言っていた。
「まさか…家に帰ったのかしら?」
「それは無いわ。城に戻ったのかも。」
「町は全部見ましたから、城に戻ってみましょう。」
そう言って、4人で城に向かう。入り口で、ミーシャに出会い、ラトリスのことを聞くと、
「ラトリス様なら、かなり前に戻って来ていますよ。」
と、言われた。
「えっ、じゃあ今何処に?」
「訓練所の奥で1人でいらっしゃいますよ。凄い剣幕でしたから、誰も止められなくて…」
「そうですか…」
「…そっとしといた方が良さそうね。」
4人は安堵して、一日ラトリスを放っておくことにした。
訓練所では、ラトリスが七聖武器を並べていた。
「ラトリス殿、どういうことなのですか?」
「デュランダル、止めておけ。」
「いいや、はっきりと聞いた方が良い事もあるぞ。」
「かといって、主に対して失礼ですよ。」
七聖武器それぞれが思い思いのことを口にしているが、ラトリスは答えない。
「元々カリバーンの主だった…それはどうでも良い。しかし、裏切られたというのは一体…」
「それが気になるのは我らも同じだ。」
「だったら…」
「主にも時間が必要だろう?必要とあらば、話してくれよう。それまで待てぬのか、お前達は。」
「ぐぬっ…」
デュランダル達は黙り込んだ。確かに話を聞くなら、人が話したくなる環境が必要だと、理解したからだった。
ラトリスは七聖武器を前に座って目を瞑り、何も言わなかった。しかし、実際には別のことをカグラと話していた。
(ラトリス、大丈夫ですか?)
(…あぁ。)
(あのレンという子と、カリバーンの話は本当なのですか?)
(…)
(そうですか。ですが、それでも私は良いと思いますよ。)
(…?)
(あの子が妹で、カリバーンが以前あなたと契約していたにせよ、あなたは私の主なのです。)
(カグラ…)
(マリア達も恐らく心配しているでしょう。元気な顔を見せてあげることこそ、今のあなたの精一杯の思いやりだと思いますよ。)
(…俺は、七聖武器が余り好きじゃ無い。)
(今までのあなたの行動で解りますよ。デュランダルを手にしてから、ミストルティンと戦うまで一度もまともに振るっていなかったのですから。)
(今も、カグラと話をしていても、五月蠅くて敵わない。)
(良いじゃありませんか。それも1つの個性だと思えば。)
(あいつらが1つになると思うか?)
(さあ?私には解りません。でも、何かあるかも知れませんね。)
(面倒事はご免なんだがな。)
(大丈夫ですよ、少なくとも私はあなたと共にありますから。)
(…有難う、カグラ。)
(いいえ、ラトリスが元気になったようで良かった。)
そんな話を意識の中で交わしていると、朝になっていた。窓から入る朝日が目に良い刺激を与えた。
「朝か…」
「ラトリス殿!?」
「お目覚めですか?」
「まあな…」
ラトリスは重い腰をあげた。
「で、お前等は1つになれるのか?なれないのか?」
「どうやら無理のようで…」
「そうか。一晩放置すれば、何かあると思ったんだが…」
「そっ、そんな理由で放置されていたのか!?」
「むぅ…ラトリス殿は末恐ろしい方だ。」
そんなことを話して、ラトリスは七聖武器を異空間に仕舞い、訓練所を出て行った。
訓練所を出ると、マリア達が床で寝ていた。
「…?」
(どうやら、あなたのことが心配だったようですね。)
(あぁ。風邪引くと不味いな。)
そう言って、毛布を取り出して、4人にかけた。4人が目覚めたのは、それから一時間後の事だった。
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