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弱小ギルドの最強英傑(ラトリス)  作者: ミュウ
七聖武器編
105/138

VS カリバーン(?)

無事にミストルティンも手に入れたラトリスに、バーグが再度話しかける。

「直ぐに始めますかな?」

「俺は構わない。が、準備時間だけ欲しい。」

そう言うと、デュランダル達を異空間に収納し、代わりにカグラを取り出す。

(異空間も居心地が良かったですが、やはりあなたの傍が1番ですね。)

(そう言って貰えると嬉しいぞ、カグラ。)

意識だけでそう話すと、

「準備は良いぞ。」

そうバーグに告げた。バーグがコクリと頷き、

「少し早いが、最後の試合を始める!聖剣カリバーン所持者、バーンシュタイン王国出身者の、レン殿だ!」

その声を聞いて、レンが入場してくる。そして、ラトリスの前で止まった。

「勝負の方法は、どうするんだ?」

ラトリスがレンに尋ねる。

「…」

「緊張でしゃべれない訳では無いだろう?」

「…」

レンは答えない。ただ、仮面の下の目は、悲しそうな目をしていた。

「私は…私は戦うつもりはありません。」

突然、レンがそう言った。

「戦うつもりはない?何しにここに来たんだ?」

「それは、私の顔を見れば解るでしょう?」

そう言うと、レンは仮面を外した。そこには…ラトリスと同じ顔があった。

「おい、あれって…」

「そっ、そっくりだ…2人の顔がそっくりだ!」

観客が響めくが、マリア達も驚いていた。

「どういうこと!?」

「ラトリスさん…」

髪型と体型以外、ラトリスとレンはそっくりだった。

「兄さん…」

ポツリとレンが言った。

「に、兄さん!?」

「2人は兄妹なの?」

その声を聞きながら、ラトリスは少し戸惑っているようだった。

「私の事を覚えているでしょう、兄さん…?」

ラトリスは答えなかった。

「なぜ、何も言わないの?」

「知らんな、似た顔なんて、世の中いっぱいいるからな。」

「兄さん!」

そこまで話していると、舞台にマリアとレイナが降りてきた。

「ラトリスさん、どういうことなんですか?」

「ここまで瓜二つなんて、双子でも無ければ何だというの?」

「…」

今度はラトリスが黙り込んだ。

「兄さん、この子と話せば解るでしょう?」

レンは、カリバーンを鞘から抜いた。すると、目を覚ましたかのように、

「…む、封印が解かれたか?」

カリバーンが喋った。

「ん?この懐かしい感じは…ジン殿か!?」

「そうよ、カリバーン。あなたにも解るでしょう?」

「懐かしい…何も変わらない雰囲気がするぞ。」

カリバーンとレンの話を、黙って聞いていたラトリスだったが、

「ジン殿、再び私と契約をして欲しい。」

「そうよ、兄さん。一緒に国に帰ろう?」

「…五月蠅い!」

いきなり叫ぶと、途轍もない殺気を出した。それに臆したか、レンもカリバーンも黙り込んだ。

「契約だと?巫山戯んな!一方的に契約破棄したのは、お前の方だ。今更何を寝言ほざいてやがる!」

「じ、ジン殿…」

「てめえなんか知らないし、ジンなんて名前でも無い。大切な人に貰った、ラトリスこそが今の俺の名前だ!気安く呼ぶな!」

ラトリスは怒っていた。そして、素早くレンに近付き、カリバーンを奪い取ると、地面に叩きつけた。

「に、兄さん!?」

「いい加減にしろ、俺はラトリス。お前の兄じゃない。」

「いいえ、その怒り方、紛れもない兄さんです。どうか、カリバーンを持って行って下さい。」

「あんな腐った剣なんざいらん。」

「し、しかしラトリス殿…」

バーグが諌めようとすると、

「もう決着は付いたようなものでしょう?カリバーンをとって下さい。」

「…」

仕方なくカリバーンをラトリスは拾い上げる。すると、レンがカリバーンの鞘をラトリスに渡した。

「その鞘にいれれば、カリバーンは喋ることはおろか、動く事さえ出来なくなります。」

鞘にカリバーンを戻し、異空間に放り込んだ。

「ラトリス殿の勝利!」

バーグが高らかに宣言するが、観客は納得していないようで、

「おいおい!」

「戦いだろ?なにも無く終わりって、そりゃねぇぞ!」

ブーイングの嵐に包まれた会場だったが、

「喧しい!」

ラトリスの一喝でシンとした。ラトリスは踵を返して会場を出て行った。

「ラトリスさん!」

「兄さん!」

マリア達は跡を追う事も出来ずに、黙って立ち尽くしていた。

読んでくださっている方々、有難う御座います。

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