ラトリスの力
ラトリス達が城に着いた頃、丁度食事の準備が出来たらしく、ミーシャがラトリス達を食堂へと案内した。
「それで、無事に勝利されたのですか?」
「勿論だ。だからこそこうしてここにいる。」
「しかし、後何回戦うのですか?」
「後3回だな。はっきり言って面倒くさい。」
「そんなこと言うけど、ある意味楽しそうよ?」
レイナがラトリスに言う。
「色んな武器と戦えるのは良いことだと思う。しかし、相手が二流の使い手じゃ、武器が可愛そうだ。」
ラトリスはクックックッと笑いながら言う。
「でもラトリスさん、どうするんですか?」
「何をだ?」
「七聖武器を今4つ所持してますよね?全てを使うつもりなんですか?」
「武芸百般、俺は何でも使えるぞ。」
「そうなの?」
「あぁ、小さい頃、体に叩き込まれた。使おうと思えば何だって使えるさ。」
そう言うと、ラトリスは異空間からゲイボルグを取り出し、くるくると回転させた。その早さは、尋常では無い。
「槍の使い方の初歩、回旋っていう技だ。」
「凄い…」
「ラトリス殿、回しすぎです!」
「おっと、済まん。」
ゲイボルグから言われて手を止めるラトリス。風圧だけで城の廊下はズタズタになっていた。
「とまあ、何でも使えるから、何の問題も無い。」
そう言うと、ゲイボルグを異空間に直す。
「後残るは杖、弓、聖長剣か…」
「聖長剣?」
「デュランダルと区別するために、つけられていた名前さ。聖長剣カリバーンと聖大剣デュランダル…そう呼ばれていたらしい。」
「へぇ…」
「この中で厄介なのは、弓ぐらいか。」
「どうしてです?」
「間合いに入れるかどうかが問題になってくる。」
「そうですよね。」
「もし、相手が魔法禁止なんてルールをぶち込んできたら、厄介だな。」
「そっか。遠距離から攻め続けられたら…」
「ま、対策は取ってあるがな。」
そんな話をしていて、食堂に着いた。既にララ達は席に着いていた。
「待っていたぞ、ラトリス殿。どうだ、首尾の方は。」
「今までの奴らは弱かったからな。本気なんか出してない。」
「流石ラトリス。信用してるよ。」
ララがそう言う。
「とりあえず飯を食ったら、訓練所を貸して欲しい。」
「何かするのか?」
「ちょっと、七聖武器と話をしようと思ってな。出来れば誰にも邪魔されたくない。」
「そう言うことなら、使ってくれて構わない。兵士達に伝えておく。」
「感謝する。」
そうして、食事を堪能したラトリスは、1人で訓練所に籠もり、夜を明かした。
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