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国民通貨への道
今の通貨は国民通貨とは言えない。名前をつけるなら市場通貨と言ったところか。経済を平穏に運営するという意味では優秀な通貨と言っていいんじゃないかな。だけど通貨はもっとできる。その能力がある。
今の通貨は 通貨発行当局によって安定を第一に運営されている。分かりやすく言ってしまえばインフレを恐れた運営だ。世界史の視点から見てもインフレは恐ろしい。通貨の価値が下がることはとてもとても恐ろしい。その恐ろしさを盾に今の通貨発行当局はインフレさえ起こさなければ良いという通貨運営をしている。インフレの恐怖を刷り込まれた大恐慌から始まったこの傾向は概ね正しかったと言えよう。世界経済は大いに発展し、その中で日本は大きな地歩を築いた。しかし最近の歴史によってそれは修正を求められている。その歴史とは日本史だ。日本史の最近のことだ。我々が生きて過ごしてきた日本史のことだ。インフレの逆、デフレが長々と続いた時国家がどのようになってしまうかを。