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あなたと同じ権利をもつ
あなたは戦争をしたくないかもしれない。それはいい。結構な話だ。戦争は人も死ぬし、金も時間もかかる。しないで済ますに越したことはない。だからあなたが戦争を仕掛けない、そこまでは決めることができる。それはあなたの自由だから。でも戦争はあなただけではできない。相手がいる。そして相手の行動は縛れない。いや、縛れないからこそ相手といえる存在なのだ。
あなたは相手が戦争を仕掛けることを止められない。それは相手が自由だからだ。あなたが自由なように。相手が戦争をしないと決めつける、それはとても非道なことだ。相手の自由をなんの断りもなく。何一つ行動することなく奪おうということなのだから。
「相手は平和を掲げている」それが事実でも同じだ。相手の噓をつく自由を奪っている。あなたも命がかかっているなら嘘をつくはずだ。もし反撃の手段を持っていたとしてもそのことを告げないだろう。そして反撃の機会を伺うはずだ。あなたと同じ権利をもつことを否定しているのだ。