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手元に戻ってきた借金の証文
お金を返して手元に戻ってきた借金の証文が他人の手に渡ってしまった。さて、どうするか。払いたくない、それだけは確実だ。それなら「ゴミとして捨てた物を拾われた」ことを証明する必要がある。簡単だろうか。時間がかかるんじゃないか。お金だってかかるかもしれない。
こんな面倒ごとに巻き込まれたくないなら手元に戻ってきた借金の証文は確実に消滅させないといけない。焼き捨てるのだろうか。シュレッダーにかける?溶かす方法もあるらしい。いやあ、なかなかに面倒だ。
手元に戻ってきた借金の証文は何の意味もない。それどころか厄介なものなのだ。つまりマイナスの価値ともいえる。国にとっても話は同じだ。借金の証文は手元に戻った途端、無意味になる。そしてお金は国の借金の証文だ。一万円札は一万円分の借金を国が負い、あなたが国に一万円分、「返してください」といえる権利を持っている証拠となる紙だ。ピンとこない?それはそうか。確かにそんな場面に出くわさないからねぇ。