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「どこで」
金利を下げるとお金を借りる能力がある人だけが得をする。これは間違いなく不平等なんだけど、実際にはこのやり口がまかり通ってきた。いや、もっと積極的にいいやり方とされてきた。なぜか。
金利が下がると企業はお金を借りやすくなる。借りて何に使うか。お金儲けのために使う。原材料を買い、生産設備を買って、労働力を買ってお金を儲ける。これの「労働力」のところで日本人に広くお金が入るんだね。給料の形で。まわりまわってお金を借りれるような経済的に優位な人たちだけでなく、多くの人に恩恵がいきわたったからお金が借りやすいという不平等なやり方も容認されたんだね。時間差がでるけどみんな幸せになれるから。なれたから。
今は違うよね。金利を下げてお金を借りやすくする。今でもお金儲けのためにお金は使われるだろう。具体的には?原材料を買い、生産設備を買って、労働力を買ってお金を儲ける。同じだね。同じだけど違う。「どこで」の要素が違ってくる。