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法律上
そして今ここで扱っているのは社会の分断だ。低額窃盗の軽犯罪化が法律上なされたところで社会の全員が盗みにはしるわけじゃない。法律上は社会の成員全てに平等に適用されているが。そして盗む者がいれば盗まれる対象がいる。盗まれる方は経済的に損害をこうむる。具体的には商店が襲われるわけだ。襲われた商店主は平等を実現するために盗みを働く、などということはない。当たり前だ。当たり前だがあえてきちんと説明するなら盗みを働くような奴と取引などできないからだ。仕入れるのも取引だし、売るのも取引だ。だから彼は盗みを働くことはできない。しない。彼は損を抱える。
彼はどうするだろう。保険?ないね。保険は具体的な形はどうであれ、まれに起こりそうな損害をその危険がある人達でお金を出し合って不運にも損害を食らってしまった人にお金が回るというものだ。盗まれるのが日常的、まれではなく普通に起こることなら保険など成立しない。
さて、どうしようか。