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濃淡
日本人は日本人を日本人と認識している。細かく言えば日本国籍を持つ者はほぼほぼ日本国籍を持つ者をだいたい日本人だと思っているということだ。どんな国でもそれは成立するだろうか。そんなことはない。富裕層とそれ以外で分断されている国はざらにある。そういう国では富裕層に登ることは絶無だろう。もちろんその中でもまだ起こりうることであるという国を見つけることはできるだろうが。物事には濃淡があるからね。支配層とそれ以外で分断されている国もあることだろう。そういう国では不満を爆発させないように支配層への上昇経路を明示している国が多い。まあ、その過程で教育やら洗脳で既存の支配層を脅かす者を排除しているだろうが。それでもその排除の性能は濃淡がある。「支配層の論理」に染まらずに上昇する可能性も国によっていろいろだ。
そしてまともな国民国家でもその「国民がお互いを国民として認識しあう」度合にもやはり濃淡は存在するのだ。