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中流が主流
中流が主流だった。そう言えるかもしれない。あの時に日本で起こっていたことをまとめるとそうかもしれない。あのカンニングペーパーは主にアメリカの消費生活と言っていいだろう。それを商品として作るために多くの人たちが雇われた。その商品を買った人たちはもちろん既にお金を持っていた人たちだ。彼らは他の人たちが羨む生活を始めた、そう言っていい。贅沢な、夢のような生活なはずだ。だが、それで終わらない。それらの商品を作っていた会社の社員たちもその商品を買うことになる。それだけ儲かったわけだがそれだけではない。量産され値段が下がったのもその一因だ。お金持ちは高級品である普及する前のたとえばテレビを買い、それらを作っていた人たちや、お金持ちとは言えない人たちは普及品となり、安くなったテレビを買う。そして同じ番組を見るようになった。そう、そこだ。お金持ちがお金持ち用の番組を見るわけじゃない。そうでない人たちがそうでない人用の番組を見るわけじゃない。同じ番組を見るのだ。