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中流
あのカンニングペーパーはもう役にはたたない。でも、一つの事実は残る。カンニングは出来たのだ。そして多くの国で真似をしてカンニングしているのだ。あのカンニングの精神を引き続き、日本を、日本人全体を幸せにみちびこうじゃないか。そのためにあのカンニングペーパーの研究をしようじゃないか。
とりあえずあのカンニングペーパーのキモ中のキモは国内の雇用だ。これでお金があらゆる日本人を廻った。「一億総中流」そんな言葉ができた。噓である。そしてその中に真実が垣間見える。
「中流」は定義するなら収入やら資産やらで判断することになるだろう。それらは順位がつけられる。そしてその順位が中くらいの人たちが中流ということになる。ちょうど三分の一ずつになるようにすれば適切だろう。それには当然上下関係ができ、下に分類された者が上を羨む、そのような構図になることは絶対に避けられない。
それでもその厳然と差のあった時代を我々は懐かしみうるのだ。