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同じことはできない
同じことはできない。再び高度成長とはいかない。なぜか。何を工場で作ったらいいか、わからないからだ。高度成長期が始まる時には日本は貧しかった。戦争に負けたこともあり、世界的に見て、貧しかった。日本が貧しいなら豊かな国がある。アメリカだがまあ、それは本質ではない。豊かであると思わせる、魅力的な消費生活がそこにあった。そしてその後をためらいなく追い続けた。日本は負けたという事実がそれに関係したかもしれない。まあ、ともかく、その消費生活の真似をした。つまりそのような商品を次々に作り続けた。ラジオや洗濯機を作る。ざっくり受信機とモーターだ。そして白黒テレビや冷蔵庫をつくる。複雑な受信機と冷媒を圧縮するのにモーターを回す機械だ。製造した会社は前に作った商品の技術を生かして次の商品をつくる。それなら前に作っていた商品を作っていた従業員はそのまま雇う方がなにかと得だといえる。真面目に働いてくれるかどうかはその実績から明らかだからね。