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呪いの言葉
多くの人は呪いの言葉を無意識に唱えている。
「財源は」
財源とは税金だ。あなたは新しい税金を発明できるだろうか。そのような才能を持つ人は稀だ。そうなるとやれることは限られている。他の予算を削るのだ。予算とは国から民間へと流れるお金だ。予算がなくなれば誰かの仕事がなくなるのだ。去年もらっていた仕事がなくなる。今年もあるだろうと当てにしていた仕事がなくなる。お金が入ってこなくなる。お金が入ってこなければお金を使うことをケチるだろう。デートもしなくなるだろう。出会いも結婚も遠くなる。
去年稼いでいたその人が困るだけ、そう思ってはいないだろうか。それだけではすまない。お金は回るから。そして良い予算がついていたならそのお金はよく回るのだ。たくさんの人の収入が減り、たくさんの人がデートを諦める。そしてまだ続くのだ。その悪循環はデートなどしてはいけないのではないかという空気までも作り出す。ますます悪い方へと循環する。