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食料
何を奪い合ったんだろう。かつて奪い合ったものは決まっている。食料だ。持つ者は食料を押さえ、持たざるものに生きるギリギリの量を渡す。あるいは見せしめに一部の人に生きていけるとは言い難い量の食料を渡す。そのようにして支配し、そしてその支配を確実なものとしてきた。食っていけない、それはすなわち死だ。それを解決するために暴力が選ばれるのもやむを得ない。正しい解決策だったか、最短、あるいは低コスト、合理的な解決策だったかは筆者にはわからないが。
さて、今の持つ者と持たざる者の対立構造は将来に渡って子供を作らせないことにより絶滅してしまうという陰惨なものであり、食料を奪うということに結果は似てはいる。短期的な死と長期的な死の差だけだからね。だが、違ってはいる。困難と思われる解決策を探るのにこの差は重要だ。
そして幸いなことに食料と結婚できないでは大いに違う。そしてここにこそ、この事態の解決策は潜んでいる。