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お金の流れを隅々に
昔は軍事もインフラも国が必要とするものが数限りなくあった。必要なんだから作らなきゃいけない。そのためには給料も払う。給料をもらった国民も必要とするものが数限りなくあった。必要なんだから買わなきゃいけない。買い手がいるなら作らなきゃいけない。そのためには給料も払う。この循環が続く上に人間には働ける時間に限度があるからこの循環が続くと給料で働く人を奪い合わなくちゃいけなくなる。さらに循環は加速する。
で、これがどこかで躓けば悪循環に突っ込んでいくわけだ。それが現状と言える。
お金は貸されても必要とするものがそこそこそろった現状では作られるとしても高度な技術を使ったものに限られる。簡単なものはそこそこ作られてしまってるからね。高度な技術を使ったものを作るには高度な技能を持つ労働者が雇われる。高度な技能を持つ労働者はそこそこの収入のある家庭の出身だ。そのような家庭はそこそこ高度な商品を消費する。その商品を作る産業もそこそこ高度な技能を持つ労働者が雇われる。こんな循環ではお金が隅々にいきわたるのに時間がかかる。