八歳になりました
そんな計画を練った次の日。私の八歳の誕生日である。知り合いの会う人全てに誕生日を祝われながらお父様とお母様の元に行く。
今日の予定は仕立てたドレスを取りに行ってから、王都へ向かうそうです。半日も馬車に乗れば王都に着くらしくて、その支度はメイドや執事たちが済ましてくれてたみたい。
「おはようございます、お母様、お父様」
「おはよう、サーレ、お誕生日おめでとう! これで貴女も淑女の仲間入りね!」
「おはよう、そして誕生日おめでとうサーレ。無事に八歳を迎えてくれて…私は…私は…うう」
泣き出したお父様を冷たく一瞥する。いえ、愛妻家で、子煩悩なのはこの五年でうんざりする程に理解してますが…お父様。
いい歳して鼻水垂らしながら泣かないでください。子供ですか…。
「ありがとうございます、今日から私も淑女…これからもよろしくお願いします。お母様、お父様。」
「もちろんよ!私たちの可愛い子!ああ…ほらレルムもそんなに泣かないで? 折角のお祝いの日何ですから…」
「うう、サーレぇええ」
お父様…。
「サーレ!誕生日おめでとう!」
呆れた目を向けてればドアが開き、ジークが私に駆け寄ってくる。珍しくテンションが高いジークにやさぐれかけた心がほっこりする。
ジークは癒しだと思う、さすが私の婚約者…赤い目が嬉しそうな色を孕んでてかっこいい…じゃなくて。
「ありがとう、ジーク…今日からエスコートよろしくね?」
「…うん」
あ、テンション高いの治った。照れたの?とくすくす笑えばほんのりと白い肌に赤みが出てきて本当に癒される。
「お嬢様、おめでとうございます」
「アルもありがとう。護衛よろしくお願いね」
「もちろん、指一本触れさせる前にやりますので」
ニッコリと微笑むアルに心配になる。やられる前にやる精神直して欲しいわ。一応やられる前に殺ってしまったら犯罪者扱いになるんですけど…。
相変わらず戦闘脳なアルをどうにかせねばと思うけどなにも策が見つからない。流石お父様の戦争の時からの部下よね…思考回路が一直線だわ…。これでも英雄と呼ばれるひとりなんだけど街の子達の夢が壊れかねないし悪影響しかなさそうなので街では黙っててもらおう。
口を閉じれば見た目だけは完璧な騎士だから…ね。
「では、行きましょうか!」
ぱんっと手を叩いてお母様が私たちを急かす。魔石で動くらしいアンティークな置き時計を見れば既に七時過ぎを指していて慌てて屋敷を出て馬車に乗り込もうとしたところで目の前に形のいい手が出される。
その手をじっと見ればジークが少し目をそらしながら「どうぞ…」と言ってくれる。エスコート!早速エスコートなのね!
もう今日一の幸せな気がする!
にこやかに手を取って馬車に乗り、ジークが私の隣アルは御者台にお父様とお母様は向かい側に座った。
王都にも屋敷があるのでメイドや執事は連れていかない。馬車の数が増えると守りづらいとアルが言っていたので。
今馬車の近くにお父様の騎士達が乗馬して護衛してくれているので安心しながらジークの手を口元を緩ませながら触れる。
あ、剣だこ見っけ。




